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「ポイントを押さえれば簡単!業務手順の見直し方法と手順」

業務改善を行うにあたり、作業の進め方、いわゆる業務手順の見直しが必要不可欠です。すべて正しいこともなければ、悪いこともないのが業務手順、準備なしに行えば業務改善どころか、悪化の一途を辿る可能性もあります。見直すにしてもその方法と手順を今一度知り、確認をしてみましょう。

今回は業務手順の見直し方法とその手順について解説していきます。

「業務手順は日々進化させなければならない」

業務手順は、いわばマニュアルであり、この通りに行うことで業務が効率的に行えるようにします。何もないと、人によって作業スピードなどはバラバラなので納期や質に影響を与えますが、業務手順に従えば、均質的な形でサービスの質も納期もまとまっていきます。

その一方、技術革新の影響でこれまで常識とされたことが覆ることが頻繁にあります。もっと効率的に行える方法が日々発見され、それをすぐに取り入れられるかが、企業間の競争力につながるため、業務手順を速やかにアップデートさせることが求められています。

「業務手順の見直し方法」

では、業務手順はどのように見直しをしていけばいいのでしょうか。

業務手順は、以下の4つの段階を踏んで見直しを進めることで、よりよいものにアップデートされます。

1.見直すことで何を目指すのかを明確にする
2.ムダを生み出す原因をあぶり出す
3.曖昧な表現をなくし、選択肢を絞る
4.業務手順の更新履歴を残す

ここからは、この4項目について順を追って解説します。

1.見直すことで何を目指すのかを明確にする

今の業務手順でも十分利益は生み出せているものの、もっと利益を生み出せるのではないかと、経営者ならそのように考えるのが普通。そもそもなぜ見直しを行うのか、その理由を明確にしなければ、何を見直せばいいのかすら理解が進みません。

コストを下げて利益を生み出したいのか、より標準化したいのかなど、何のために見直しを進め、その結果、目的達成につながるのか、そのあたりを明確にすることで、目的意識の共有につながります。

例えば、1つの作業に時間をかけすぎているので、それを改善すればコスト削減につながるのではないかという意識があれば、目標の数値を掲げつつ、業務手順の見直しにつなげられます。

2.ムダを生み出す原因をあぶり出す

最大のコストは人件費であり、作業とは関係のない時間をいかに減らすかが非常に重要です。業務を細分化しすぎている、特定の人だけ片寄っている、時間帯によって仕事量が極端など、労働力を有効的に使えていない部分を見つけ、その原因をあぶり出すことが見直しに向けて大切です。その原因を見つければ、あとは改善を心がけるだけ。

そして、手順書などに落とし込んで労働者全員で共有し、標準化を図っていけば、業務改善につながります。

3.曖昧な表現をなくし、選択肢を絞る

サービス業であっても、製造業であっても、マニュアルで一連の作業を理解し、やるべきことをやる、それがあるべき姿です。しかし、業務手順において、人によって異なる理解になってしまい、思っていたこととは違う展開を生んでは何の意味もありません。

曖昧な表現はないかの確認をするとともに、この時はこれとなるべく1つの選択肢になるよう、見直しを進めることが大切です。特に中小企業では、自らの技量や判断で仕事が進んでいくことがあり、これだとバラつきを生みます。質を均一化させるためにも、曖昧な表現はやめ、労働者の判断をなるべく必要としない形が望ましいです。

4.業務手順の更新履歴を残す

見直しを行う=改善につながる、これならば最高ですが、残念ながら思惑通りにいかないこともあります。見直しをする際、元になった業務手順からどこを見直して、どんな理由で改善したのか、それを文字に残すことが大事です。

失敗から学ぶことも重要であり、その検証の際に見直しの理由などを知れば、方向性が間違っていたとか、独善的な考えだったなどと反省につながります。改めて目的意識を再確認し、ブレない方針の中で新たな見直しが提案され、改善へ一歩近づきます。

「外国人でも新入社員でも理解できるものに」

業務手順は、仕事のやり方を明確に示し、それを軸に先輩から後輩へ、上司から部下へ指導がなされます。だれが読んでも同じ理解になる、それがあるべき業務手順ですが、結局は教える側の裁量に任され、人によって理解が異なる状況を生み出します。

究極は、外国人に教えても新入社員に教えても理解できるものかどうか。言葉で説明しないとダメ、あまりにも曖昧、説明する当人しか分からない、これでは仕事のやり方が統一されず、その人なりのやり方を許すことにつながります。

間違いが起こらないよう、文字を少なくし図だけで理解できるような形にする、そうすることでその業務の経験が浅い人でもすぐに取り組めます。効率化が進んでいるところでは、誰が読んでもすぐに理解できるものにしており、質を均一に保てます。

「まとめ」

今回は業務手順の見直しなどを解説しました。

ポイントをまとめると以下のとおりです。

・技術は日々進化するので、頻繁に業務手順のアップデートを。

・見直しを行って何を目指すのか、明確にする。

・労働力を有効に活用できていない理由を探る。

・曖昧な表現はなくし、労働者の選択肢を少なくする。

・業務手順に関する見直しのプロセスを文字にして、検証できるようにする。

・経験がない人でも、経験がある人と同じように仕事に取り組めるものに。

効率的にすることも大事ですが、誰でも一定の質以上は出せるようにする、そこを目指して業務手順の見直しを進めてみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきましてありがとうございました。