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大先輩の社長に「カネは追っかけると逃げてくぞ」と教えてもらった話。

前回の記事でもご一緒した、Z社長とK社長。再びお食事に誘ってもらった。小話一つとっても僕にとっては勉強になることばかり。

会社経営をしてから1ヶ月経つが、キャッシュの変動が今までと比じゃないくらい気になる。お酒の力を借りて突っ込んで聞いてみた内容を自分の備忘録も兼ねて記事に残しておこうと思う。

Z社長からの学び

常に全体への配慮を忘れない

前回と同じ、神奈川のとある呑み屋さんで集合した先輩社長達と僕。

カウンターには中年の男性客一人という状況だ。カウンターメインで作られたこのお店は、客に媚びないどころが、めんどくさい客は来なくて結構!という超強気スタイルで営業している。それが何とも心地よい。

一か月以内にまた店来なかったらもう忘れてるからね、とマジなトーンで言われるものだがこちらもまたあのお店に行かなくちゃ!となってしまう。

何気ない雑談を交わしながらキンキンに冷えたビールを流し込む。早速一杯目のグラスが空いたのでZ社長に声をかけてみた。

――次、何呑まれます?

絶妙なタイミングでおかわり聞けたぞーなんてしょうもないことを考えていると、

「ママさん今忙しそうにしてるだろ。落ち着いた時に頼めばいいんだよ。」

はー!そんなこと一度も考えたこと無かった。確かによく見るとママさんと娘さん二人で切り盛りしているこの状況でもう一人のお客さんのドリンクと料理の準備と、僕たちの料理をせっせと作っている状況。

そこまで気にしなきゃいけないかと言われると分からないが、そんな発想が無かったものだからとても印象に残った。

それからも、会話の途中途中でZ社長が僕に小声で様々なTipsを提供してくれる。

「あのお客さん、凄い酔っぱらって地元の話ずーっとしてるだろ。こういう時は下手に頷いたり、反応しない方がいいぞ。酔ってるときは聞いてもらいたいんじゃなくて、ただ話してるだけで満足してるから。」

「領収書をもらう時にはな、自分の名刺を出してお店に自分のことを覚えてもらうようにするんだ。お前は名前が珍しいんだからそれで自分を売ってけ」

Z社長Tipsは僕の引き出しをどんどん増やす。僕なんてただ目の前にあるお酒と、食事、そしてZ社長とK社長といかに楽しく時間を過ごせるか、そんなことばかり考えている。

もちろんただ純粋にその場を楽しむのはアリというか本来あるべき姿なのだろうけど、やっぱり勉強になるなぁ。

経営者が常に意識しておかないといけないこと

そうこうしている内にあっという間に時間が過ぎて、早めにお開き。Z社長との帰りの電車内ではプチ経営者勉強会が始まる。

「今、普段何を意識しながら経営してる?」

――今はあまり複雑に考えずに売上をシンプルに伸ばしていくことだけ考えています!

「まぁいまは一人だからそれでいいかもしれないけど、経営者は常に、ヒト、モノ、カネ、情報この4つのことを常に考え続けなきゃダメだぞ。どれかが欠けてもダメだ。全部同時に考えていくようにしろ」

――わかりました。その4つのことについて具体的に何を考える必要があるのでしょうか。

「それは、教えない。俺の答えが正解とは限らないからな。でも常に自分の中での答えを考え続けるクセを持っておいた方がいいぞ。そもそも経営に答えはないんだから。帰りながらそれが何で大事なのか考えてみ」

Z社長はいつも、ヒントをくれる。でも答えは教えない。自分で考えて、悩んで、苦労することの大事さを常に教えてくれているような気がする。あぁ、早く恩を返せるようになりたいなぁと改めて感じる瞬間だった。

お金に対する考え方

会社を作ったら、会社を存続させることに対する意識が非常に高くなった。特にキャッシュの増減には非常に敏感になる。Z社長に聞いてみた。

――将来融資を受けるときのために今から金融機関といい関係作っていった方がいいですか?

「何で融資を受けたいって考えるんだ?正直に理由を言ってみろ」

――今のペースで仕事が順調に回っていけば徐々に会社としても成長していくとは思うのですが、かなりゆるやかなペースでしか成長しないんじゃないかと思う時があるんです。

それならリスクは負いますが、融資を受けてヒトモノに投資して大きく会社も回するのもアリなんじゃないかと思っていまして・・・

「ふーん。まぁ事業内容と金の使い道によるから一概に言えんな。でもな、不思議だけどカネは追えば追う程逃げてくぞ。それって周りからしたらすぐわかるからな。だから、カネが欲しい時こそカネを追うな。しばらくしたらその本当の意味が良く分かると思うよ。

あぁ、それとちょっとした小金稼いだ時は要注意だぞ。気が大きくなって投資して失敗した奴なんてどれほど見たかわからんわ」

確かにそうかもしれない。そんなことわかっているはずなのに、気づけば盲目的に考えてしまう自分がいる。社員もいないし、お客さんが直接教えてくれるものでもないから本当に有難い。

結局売上が経つのも信用、信頼をいただいてお客様から仕事をいただけるから。それで会社が成立しているし飯を食べれる。商売の原理原則、原点に戻ってコツコツ、誠実に経営をしていこうと気を引き締められた。

まとめ

改めてここまでをまとめると、

・常に「自分の中での答え」を考えるクセを持つことが大事

・経営者として「ヒト、モノ、カネ、情報」のことを常に考え続ける必要がある

・カネは追えば追う程逃げる。小金稼いだ時はお金の使い方に要注意。

という学びのあった食事会だった。月並みの言葉しか並ばないけど社長ってほんと凄い。人を育て、モノに投資して、カネを大切にして、情報収集を常に繰り返す。こんなことを物凄いスピードで行っている。

まだまだ、肩書に自分が追い付かない自分がいることに悔しさを感じながら、やっぱ仕事って面白いな、そう感じたつい先日の出来事でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

seina
独立と同時期に離婚を経験し、フリーランスとして半年ほど過ごした後、法人化。著書に「分かりやすい提案書の3RULE5DESIGN」「今さら聞けないテレアポのキソキホン」など。地元・横浜での立ち飲みがマイブーム。

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