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新卒で就職した人材派遣会社を半年で退職。当時の悩みと葛藤。

こんばんは!編集長のSeinaです。

新卒の退職率ってご存じでしょうか?よく聞くのは七五三。中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が入社3年に退職するというデータです。

2018年10月23日に厚生労働省が発表した内容によると、

中卒:64.1%
高卒:39.3%
短大:41.5%
大卒:31.8%

が2015年に卒業をして就職した新卒者の離職状況です。
(引用元:マイナビニュース)

以前の記事でも紹介しましたが私は正社員として過ごした期間は合算でも1年位しかありません。新卒に限っては6か月で退職を致しました。

今振り返れば当時の方々には本当に申し訳ないことをしたと思うと同時に、いずれ退職していたんだろうなと思います。当時自分が何に悩み退職に至ったのか。その体験をまとめました。

希望を胸に広島へ

2012年4月、私は希望と自信に満ち溢れていました。30000人の応募者から内定者30名を決める為に、7回もの選考を経て過酷な就職レースを勝ち抜き、第一希望の人材系企業に就職を果たしました。

人材教育に相当力を入れていたこともあり、入社前から相当な過酷な泊まり込みの研修があったのですが、それも無事に終了。

30人の同期とお互いの活躍を誓い合い配属先である広島県に赴任しました。配属先を聞いた時は、実家を離れたことがなかった私にとって戸惑いや不安もあったがそれを勝る位、わくわくしていたことを思い出します。

当時意識高い系だった私は、

“その人にとって「働く」時間が充実したものになれば「人生」がより輝く。その為の役に立ちたい。

そんな想いを胸に人材業界への就職を熱望していました。何故かといえば、大学時代に仕事を楽しみながら生き生きしている社会人に沢山出会うことが出来たからです。

大卒でも3年で3割の人が仕事を辞めてしまう。仕事が辛く鬱を発症して退職する人が後を絶たない。

そんな暗いニュースばかりを見ていた就職活動を控えていた私には、目を輝かせながら自分の仕事に対する想いを語る社会人はとても眩しくかっこ良く映ったのです。

だから私もそういう社会人を目指し、そのような人が沢山増えていく為に貢献できたら最高じゃないか!そう想い、人材業界への就職を決めました。

広島での業務内容

配属先の店舗に到着し、先輩方への挨拶を済ませ、会社で借り上げたマンションに荷物を降ろし、待ちに待った社会人生活がスタート。

会社の主軸となる事業は人材派遣業。主に4つの仕事を担当しました。

  • 企業の採用担当者に対し、自社で抱えている派遣登録者を採用してもらう様に提案すること
  • 派遣登録者に電話をかけ、求人案内をすること
  • 両者を引き合わせ採用をアシストすること
  • 採用が決まった派遣社員の方が長く働けるようにフォローすること

覚えることは多く上司に怒られることも沢山ありましたが、やりがいも感じることも多い。

お盆休暇前までの成果では、西日本ブロック全体で、法人新規契約件数が3位という実績も残すことが出来ました。

しかし、そう上手いことばかりでもありません。

派遣業務における重要業務の一つは、派遣社員さんが長く働いてくようフォローをする業務です。

具体的には、まめな連絡と仕事における相談相手になることが必要です。

人材派遣のビジネスモデル上、派遣社員の方が働けば働く程自社に利益が生まれる仕組みになっています。

フォローが足りずに担当企業に送り込んだ派遣社員さんが辞めるとなると、派遣会社への負担は相当大きく下記のような影響が出ます。

  • 派遣先企業の信用低下
  • 新しい希望者の募集
  • 面談機会のセッティング
  • 各種手続きの事務作業

人材派遣業をビジネスとして見れば、長くその企業で安定して働いてくれることが一番都合が良いのです。

では、自分が担当になった派遣社員さんから「辞めたい」と相談があった場合何をしなければならないか?それは、派遣社員さんを辞めさせない為に説得をすることだ。と教わりました。

職場内ではこれをコントロールと呼んでおり、今考えるととても失礼な言葉だったと思います。私はこの仕事がどうしても嫌でした。

派遣社員さんを泣かせてしまう

ある日、自分が担当している企業に勤めている派遣社員から相談があった。勤務態度も真面目で人柄も良い女性だった。慣れてくると嫌な予感も冴えてくるもの。


ーーお疲れ様です。お電話なんて珍しいですね。いかがなさいましたか?

派遣社員さん:実は相談があって…正社員として転職活動に専念したいので、仕事を辞めたいです。


やっぱりか…。その瞬間に私の頭によぎったのは、上司のムスっとした顔だった。現在の売上状況からするとタイミングとしては最悪です。

加えて直近で紹介した別の派遣社員さんが、数日で無断欠勤をして音沙汰が付かなくなってしまった経緯もある。今ここで信用を落としたらまずい。私は、彼女を何としてでも引き留めようという気持ちでいっぱいでした。


ーーそんな!急に言われても困ります。先方の会社にも迷惑が掛かりますので考え直していただけませんか?

派遣社員さん:私も家庭があるのでもう少し給料を稼がなければならないので、何を言われても辞めます。そもそも、今の会社に入る前に正社員の仕事を希望していると言いましたよね?


・・・まずい。焦った私はなりふり構わず彼女へ高圧的な態度を取って強引にねじ伏せようとしたが、やり取りを重ねても話し合いは平行線のまま。

そして、とうとうやらかしてしまった。


ーーそれとこれとは別です。あなた一人で仕事が回っている訳じゃないんですよ。会社にも私にも迷惑を掛けていきなり辞めるだなんてあんまりじゃないですか。僕に対しても失礼だと思いませんか!?

派遣社員さん:・・・

ーー聞いてるんですか!?答えてください!

派遣社員さん:・・・ごめんなさい。ごめんなさい。

グスグスとすすり泣く声が聞こえている。

ーーあ、いやそのそんなつもりじゃ…

派遣社員さん:うぅ…ごめんなさい。グスッ…でも私はグスッ…辞めます。本当に…すいませんでした。(ガチャッ ツーツーツー


その時にようやく自分の犯した過ちに気付いた。私は誰のためでもなく、自分の成績や上司からの評価や保身やエゴのために仕事をして、相手を深く傷つけてしまったのです。

彼女とはそれ以降、連絡が取れなくなり派遣先にも無断欠勤が続き、二度と連絡が取れることはありませんでした。

上司や担当企業から怒鳴られながら、何とか空いた穴を埋め合せるための仕事をしなければいけない。脳裏によぎるのはそんなことばかりです。

上司の励ましの言葉で自信を完全に失う

後日、上司から呼び出されました。

お前はまだ相手をコントロールする力が弱いんだよ。まぁその内、相手の感情を上手くコントロール出来るようになるから安心しろ。

上司は良かれと思って私に声をかけてきてくれたのだと思う。でも私は考えてしまった。

「自社の都合によって相手の人生を捻じ曲げてしまうことが自分の仕事なのか?」と。

“その人にとって「働く」時間が充実したものになれば「人生」がより輝く。その為の役に立ちたい。”

私は全く真逆の仕事をしているじゃないか。

気づけば自社の都合だけを考え、相手のキャリアや人生の一部を担っているだなんて自覚も無く、その人の人生を応援するどころか妨害している。最低な人間だ。

そう感じた途端、ヤル気も自信も全て失い、全く仕事に身が入らなくなってしまいました。

仕事が終わったら住まいの近くにある原爆ドーム前の公園で音楽を聞きながら一人で毎日泣きじゃくる日々が続きます。

そしてあくる日の月曜日、私は会社用ケータイの電源を落とし、出社もせずに東京行きの新幹線に乗り込んでいました。現実をしっかりと受け止めずに目を背け、逃げ出したのです。

大学生の頃に良くお世話になっていた憧れの社会人の方に電話をし、その日の内に無理やり時間を作ってもらいました。

こうして私の就職の第一歩目は大きな挫折からスタートしたのです。 つづく

4、5年前に書いたブログの内容

上記の話は、私が4、5年程前に書いたブログの記事を一部表現を変えて書き起こしたものです。

美談のように語っていますが、客観的に考えたら

  • 入社前の仕事理解が足りなかった
  • 派遣会社の仕事をかなり曲解して受け取っている
  • 仕事を無断欠勤

ということであり、社会人としてはあまりにも無責任すぎる行動です。退職理由としても、リアリティギャップを自分の中で消化できずに辞めてしまった典型的なパターン。

一方で、

  • 自分は何のために働くのか
  • 自分の仕事が誰に何をどんな形で提供し、誰の役に立つのか
  • 自分の社会的な立場を踏まえた適切な行動は何だったのか

は当時、非常に考えさせられました。

今でも派遣会社で働くことに自分が意義を見出せるのか、と問われると疑問が残ります。

あの時、新幹線に乗らずに、もうしばらく我慢していたとしても、そう長くないうちに退職はしていたでしょう。理想と現実を調整して上手く生きれるほど社会に適合できず、精神面も大人になりきれていなかったのです。

新卒の立場で考えれば、学生の時に社会をリアルに体験できる機会があったのか?それは自ら掴みにいかなければならかったのか?それを出来た人がどれだけいるのか?と考えさせられます。

雇用者の立場で見れば、他社に流れず自社への期待を高めつつ、入社前後のリアリティギャップは無くす採用活動をしなければなりません。これも中々ハードルが高いでしょう。

まあとにもかくにも迷惑をかけた。だからこそ私は今、自分ができる精いっぱいの力で社会に恩返しをしていかなければなりません。

ご自身のブログや日記、SNSを振り返ると当時は気づきもしなかった発見があると思います。ぜひお試しください。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

seina
独立と同時期に離婚を経験し、フリーランスとして半年ほど過ごした後、法人化。著書に「分かりやすい提案書の3RULE5DESIGN」「今さら聞けないテレアポのキソキホン」など。地元・横浜での立ち飲みがマイブーム。

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