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物理セキュリティ対策のキモとその具体的方法

 セキュリティ対策は情報セキュリティだけでなく、物理セキュリティの整備も重要です。いわゆる防犯対策という観点だけでなく、物理セキュリティは情報セキュリティを含むものとしてしっかり考えていく必要があります。中小企業でもしっかり考えるべき物理セキュリティの大事なポイントや実現方法について紹介します。

物理セキュリティで考えなければならないこと

入退室管理

 物理セキュリティにおいて、入退室管理は基本中の基本です。社内に、または特定の部屋に誰がいつ入ったかを確認することは不審者の侵入を防ぐとともに問題発生時において解決の重要な手がかりとなります。ただし、入退室管理が過剰になると従業員にとっても負担になるため、効率良く管理できるようにシステム面でサポートする必要があります。

アクセス対策

 物理セキュリティでは、企業の大事な情報を格納したパソコンやサーバーなどの情報端末へのアクセスを防ぐことも大切です。ネットワークを利用せずとも、侵入者がパソコンやサーバーの電源を入れればすぐに中身が見えてしまうようでは問題があります。適切なアカウントの管理はこうしたアクセス対策に有効ですので検討してみましょう。

防犯・盗難対策

 物理的な設備の破壊や盗難などを防ぐための対策も必要です。たとえば、企業のノートパソコンや機材が持ち出すことができる状態で放置されている場合、侵入者による持ち出しが可能になってしまいます。

また、ロッカーや金庫などがしっかり施錠されていることも、被害の拡大を防ぐために有効です。重要な書類や証券類などを格納する金庫は、その耐久性や重量なども防犯や盗難を考えた場合に大切です。

犯罪抑止力

 実際の犯罪や侵入に対する防衛能力はないとしても、犯罪を未然に防ぐための抑止力を表すことは防犯上大切です。監視カメラは抑止力になるためダミーであっても効果がありますし、警備会社のステッカーは悪意ある人を牽制する効果をもちます。

また、社内の入退室や情報資産へのアクセスはすべて記録されていることを教育することも、従業員内部からの犯罪を抑止する力になります。

物理セキュリティ対策の方法

入退室管理

 入退室管理では、ICカードによる入退室管理システムが利用されることが多いです。最近は指紋認証や声紋認証などの生体認証を組み合わせたシステムも登場しています。

また、社員専用のオフィスエリアと来客対応のためのエリアをしっかりと区分し、来客に対しては受付を設けることも安全管理上大切です。何となくではなく、しっかりとログを管理しながら不審な振る舞いをしている人がいないか定期的にチェックし、関係者で目を光らせておくことが大切です。

アクセス対策

 アクセス対策では、各PCへのアクセス管理を行うことや、重要なシステムや資産を扱う部屋については従業員内でもさらに入室制限をかけ、記録をしっかりすることが大切です。

また、カギや備品の管理には必ず責任者を設け、誰でも自由に使えないようにしましょう。社用車や会議室で盗聴器が仕掛けられる場合もありますので、車内・室内での忘れ物などを確認しながら見回りを行うことも効果があります。

防犯・盗難対策

 オフィスの防犯対策では、まず侵入口をしっかりと固めることが大切です。侵入窃盗ではガラスを破壊して侵入するケースも多く、侵入しやすい位置のガラスにセンサーを付けたり、可能なら棚などで塞いでしまうなどの対策を行いましょう。また、設置されているOA機器も狙われやすいため、持ち出しが容易なパソコンなどはチェーンでロックしたり、必ずカギのかかった引き出しに片付けるよう教育を徹底する必要があります。

金庫は丸ごと窃盗される場合もありますし、破壊されることもありますので、重量のあるものや耐久性の高いものを利用したり、溶接したり、二重にするなど対策が必要です。

犯罪抑止力

 犯罪への抑止力を高めるためには、まず防犯カメラやセンサーライトなどの導入が考えられます。これらは侵入者に対して牽制を行うために有効ですし、センサーライトの光は周辺の人の視線を集める効果もありますので二重の効果が期待できます。センサーを用いた防犯ブザーなどの活用も有効です。内部からの犯罪を防止するためには、社内での設備利用ルールやセキュリティシステムについて教育を施すことも効果的です。警備会社との契約は、犯罪を抑止するためにも犯罪発生時の初期対応においても効果的ですので、可能であれば導入しておくと良いでしょう。

まとめ

 物理セキュリティは企業におけるさまざまな資産を守るために必要不可欠です。物理セキュリティでは犯罪を未然に防ぐための仕組みと起こった時への備えをすることが大切です。システム面で対応すべきことも必要ですが、戸締まりや片付けの徹底やルールの遵守など教育で解決できる部分も多いです。自社の状況を踏まえて、対応できるところから少しずつ取り組んでみましょう。