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会社を潰しかねない経営コンサルタント。その最適な活用方法とは?

経営コンサルタントという言葉を聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?ものすごく頭が良いけど沢山給料をもらっていて、雇ったらめちゃくちゃ高くて、何だか胡散臭い・・・。雇ったところで本当に役に立つのだろうか、と思う方も沢山いらっしゃると思います。

経営コンサルタントが自身のアドバイスが誤りだったことを赤裸々に綴ったビジネス書、『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』がベストセラーになったことからも世間は経営コンサルタントに高い関心を持っているようです。

今回は経営コンサルタントとして3年間企業に勤めていた私が、経営コンサルタントの実態や、どのように活用すべきかを紹介したいと思います。

1.経営コンサルタントの役割

・そもそもコンサルタントって?

周りを見渡せば、あらゆる職業がコンサルタントを名乗っていますよね。不動産コンサルタント、人事コンサルタント、キャリアコンサルタントなど。コンサルタントは『Consultant』と書き、専門的な相談相手を意味します。

つまり、その分野における相談相手としてクライアントの悩みを解決するのが大きな役割と言えるでしょう。つまり、経営コンサルタントは経営に関する相談相手となり、問題解決をする仕事ですから非常に高度な知識や経験を要します。

当然、いただく報酬も高額となり月に1回の相談で数十万、トップクラスの経営コンサルタントになれば百万を超すコンサルタントも存在しているような世界です。

・経営コンサルタントの業務内容

経営コンサルタントの業務内容はクライアントの依頼内容によって様々です。経営の相談相手となり問題解決をするわけですから当然カバーする範囲が広くなります。

また、コンサルタントにとっても得意分野があるため、自社が解決したい課題とマッチしたコンサルタントでなければ中々活用しきれないかもしれません。

一般的な業務内容としては、クライアントの現状分析や市場調査を分析、調査内容に基づいた戦略の構築、戦略を成功に導くためのプロジェクトを立ち上げ、行動計画を作り実行に移す。といったところでしょうか。

2.経営コンサルタントができること、できないこと

過去の事例やコンサルタントの知識・経験を基に、仮説を立てる
経営コンサルティング会社には過去に支援した企業の事例が沢山あります。それは確かにとても貴重な情報で、自社の悩みや課題に近いケースの企業があれば、その会社をどのように支援すれば問題が解決できるかをある程度仮説を立てることができます。

加えて、コンサルタント自身の知識や経験を組み合わせ、最適だと思われる解決策を立案します。

ただし、あくまで仮説は仮説に過ぎない
これはコンサルタントにとっても難しいことなのですが、コンサルタントも限られた時間の中で結果を残さなければなりません。しかし、そんな短時間の中で何十年という歴史がある会社の一体どれだけが分かるのでしょうか。

当然コンサルタントの地頭の良さや少ない情報から仮説を立てて行動計画を作り、解決に導くそのスキルには脱帽です。ただ、あくまでそれは仮説であって、本当にそれが正しい仮説かなんて誰にも分らないのです。

私もコンサルタントとしてクライアントと携わりながら一緒に悩み、どうしたら最善の結果が出るかを常に考えていました。

会社を動かしているのは紛れもなく“人”である
経営者と一緒に最善策を考え、最高の戦略が構築できたとしても、その戦略を実行に移すのはあくまで現場の社員の皆様です。コンサルタントが偉そうに正論を振りかざしたところで、現場の皆さんからは「こっちは普段の業務で忙しいんだよ!そんなことできるわけないだろ!」と言われ一蹴されておしまいです。

そして、日々会社や会社を取り巻く環境が変化し続けている中で、過去の事例が果たしてどこまで通用するのは考えなければなりません。特に中小企業であれば、様々な仕組みやシステムが整っていないので、どうしても社員の能力に依存せざるを得ないのです。

そうしたときに、実は問題の本質が、社長がワンマンで部下に権限を与えないことであったり、営業部長と人事部長の中が悪く、情報が上手く連携できていないことにあったりと“人”に原因があるケースが非常に多いです。

となると、経営コンサルタントが出来ることには限界があり、当人同士によって解決してもらうほか無いようなことが確かに存在するのです。そして、何より多くの経営コンサルタント自身が経営者ではないということです。

経営者が感じる孤独さや、社員を雇用する責任の大きさや、明日の飯を食べていくための血のにじむような努力を体感値として持っていないのです。それらを理解した上で経営コンサルタントを活用することをお勧めします。

3.経営コンサルタントをうまく活用できる人、できない人

・経営コンサルタントは“徹底的に利用する”

色んな難しさがある経営コンサルタントですが、中には経営コンサルタントを雇って業績を大きく伸ばした会社も沢山存在します。私が担当させていただいた企業様も1年間で過去最高売上をたたき出すことに成功し、企業体質も社長依存型だったところから組織化に成功して管理職が育った事例もあります。

経営コンサルタントをうまく活用できる人は『明確な目的を持ってコンサルタントを雇い、経営者自らが課題解決に向けて努力し、コンサルタントを徹底的に使い倒す』ことだと感じています。

コンサルタントを雇って何がしたいのか、これがぼんやりとしているクライアントも沢山います。予算消化や何となくコンサルタントに頼めば課題解決してくれるだろうという依存型の会社には失敗が目に見えています。

むしろ、活用したことで社員から自分たちのことを信用していないと思われ、経営コンサルタントにお金を払うくらいだったら自分たちの給料を上げてくれと不満を増やすことにも繋がりかねません。

経営コンサルタントを活用するには、経営者自らが会社の変革に覚悟を決め、自らが努力し、徹底的にコンサルタントを使い倒す。これが経営コンサルタントをうまく活用する唯一の方法だと私は思っています。

今までに私が担当させていただいたクライアントを思い返すと、会社の資金的に余力が無い会社様は当然払った分、必死に取り返そうと本気です。社員にも無駄な投資だと思われないように社長自身が努力することで、その背中を見た社員が心を動かされ、新しいプロジェクトの協力に精力的に活動することで、良い結果に繋がるという事例を沢山見てきました。

やはりそこにあるのは“人”でしかないのです。

まとめ

経営コンサルタント自身も高い報酬をもらいながら、経営の問題解決を図ることへのプレッシャーは常に感じています。そのために自らの知識を増やし、努力を惜しまないコンサルタントもたくさん存在しています。

だからこそ、依頼する側も覚悟を持って真剣に課題解決に取り組むことで相思相愛になり、良い結果を生むことに繋がっていくのです。最後までお読みいただきありがとうございました。