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知らなきゃ損する、助成金、補助金の基本とその活用法

補助金や助成金という言葉については耳にしたことがある方がほとんどでしょう。しかしその種類や自分が活用できる助成金、補助金について把握し、実際に利用している方はそう多くはありません。そこで今回は補助金、助成金の基本やその活用方法について解説していきます。

1.助成金、補助金とはどんなもの?

①助成金、補助金の違い

助成金、補助金とは、国や自治体が会社等に給付するお金のことを言います。その中でも、厚生労働省や自治体が所管しているものを助成金といい、経済産業省が所管しているものを補助金といいます。

助成金は受給要件を満たせば原則として受給できるため、1件あたりの金額は数万から数十万円程度のものがほとんどです。これに対して補助金は競争公募型であり、一件あたりの金額は数百万から数千万円と高額になります。競争の倍率は3倍から10倍程度となることが一般的です。

また助成金は原則通年に渡り募集がなされますが、補助金は公募期間が1ヶ月から2ヶ月程度に定められていることがほとんどです。

 

②助成金、補助金の特徴

助成金、補助金の最も大きな特徴が清算払い(後払い)のお金であるという点です。具体的には、助成金、補助金の申請をし、それが認められた後に、対象となる経費を支払い、その後助成金、補助金を受給して補填を行うという形になります。

融資とは異なるため返済は不要ですが、具体的な使途が定められている場合がほとんどであり、手元に自由に使えるお金が残るものではありません。また原則自分で先に資金を用意する必要があります。そのため資金調達や、資金繰りのためには使用できない点に留意が必要です。
 

2.助成金、補助金を活用するためのポイント

助成金、補助金の情報を入手する

助成金、補助金は種類が多く、その申請要件も多岐にわたります。例えば起業からの年数等が要件となる場合には数ヶ月前であれば申請できたのに、今はできないという事態が考えられます。

また上述の通り補助金に関しては公募期間が短いものがほとんどです。そのため存在を知ったときには既に公募期間が徒過している可能性があります。さらに清算払い(先払い)が原則ですが、対象期間外に発注、納品、入金等をした場合には、対象経費として認められなくなります。

その結果、存在を知っていれば助成金、補助金の申請ができたのに、知らずに経費として支払い等をしたことにより申請ができなくなるといった事態も生じえます。そのため自分にあった助成金、補助金についての情報をなるべく早期に発見することが重要となります。以下ではその方法について見ていきます。
 

①インターネットを活用した情報収集
助成金、補助金それぞれ、所轄官庁である厚生労働省、経済産業省のホームページに助成金、補助金の情報がまとめられています。また経済産業省関連の助成金の情報については、同省所轄の独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「ミラサポ」というポータルサイトがあるので、それも参考になります。

さらに同機構が運営する「J-Net21」というサイトでは助成金、補助金の公募についての情報やイベント、セミナーなどの情報を検索することができます。それぞれのサイトの無料のメールマガジンに登録すると補助金や中小企業支援に関する最新情報を入手することができます。

また自治体が独自に行なっている補助金についての情報は自治体のホームページの「産業」や「商工業」のページから探すことができます。インターネットによる情報収集のメリットは最新の情報を入手できる点と、情報の網羅性が高い点にあります。

助成金、補助金は毎年変化するものであり、その情報を早期に入手することが重要です。そのため最新の情報を無料で入手できる点や、多くの情報を入手できる点は大きなメリットとなります。

もっともインターネット上には虚偽の情報や過去の情報が多いというデメリットもあります。最近では補助金や助成金を謳った詐欺も発生しており、情報の正しい取捨選択を行う必要があります。

このようなデメリットに対する対策としては、省庁や自治体、それらが運営する団体など公的な信頼できる媒体からの情報を中心に情報収集を行うことが重要です。
 

②書籍を活用した情報収集
次に書籍を活用した情報収集が考えられます。インターネットに比べて情報が古いというデメリットはありますが、書籍である分情報の信頼性が高いというメリットがあります。

また申請書の作成方法のポイントなど、大きく変化しない点についての情報は、必ずしも最新である必要はないので、そういった情報を収集する手段としては有益であると言えます。書籍は毎年最新のものが多く出版されているので、図書館等でいろいろなものにあたってみるのがいいでしょう。
 

③相談窓口の活用
さらに相談窓口を活用し、専門家に具体的な相談をすることで自分にあった助成金や補助金についての情報を入手するという手段も考えられます。費用がかかってもいいと考える場合には、社会保険労務士や税理士等の専門家に相談するのが良いでしょう。

専門家に相談する場合、申請書の作成等の事務も一括で任せることもでき、不慣れな作業に時間を取られることがなくなります。

また補助金については公募型であるため、申請が認められるためのノウハウを有する専門家に相談することは、申請が認められやすくなるという大きなメリットがあります。

もっとも地方においては都市部に比べ専門家の数が圧倒的に少なく、費用も高くなる傾向にあります。そのような場合には各地の商工会、商工会議所に相談に行くのがいいでしょう。

商工会には助成金や補助金の専門家や、実際に活用している人が必ずいるので情報を収集することができます。さらに商工会では助成金、補助金に限らず様々な情報を交換することが可能であるというメリットもあります。

さらに中小企業整備機構が「よろず支援拠点」という窓口を全都道府県に展開している他、各地の「産業振興センター」や「産業支援財団」といった団体でも情報収集が可能です。

こういった相談窓口に頻繁に顔を出し、情報収集を行うことで、専門家と知り合うことができ、ビジネスチャンスが広がることもあるので、積極的に活用すべきでしょう。

まとめ

今回は助成金、補助金の基本と活用のためのポイントについて解説しました。助成金や補助金は税金によって賄われるため、活用できるものを知らずに活用せずにいることは損をしているのと同じことになります。

特に最近ではインターネットや書籍等で多くの情報を簡単に入手することが可能です。そのため、まずはインターネットや書籍を利用して、実際に自分が活用できそうな助成金、補助金について調べてみると良いでしょう。

その上で疑問に思った点や具体的な申請方法について、更に詳しい書籍を利用したり、専門家に相談したりすることで、助成金、補助金をうまく活用することができるでしょう。

特に補助金については1件あたりの金額が大きいものが多いため、補助金を利用して新規事業の展開等に成功している企業も多数存在します。知らないから、難しそうだからと敬遠せずに、積極的な活用の検討をおすすめします。