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まだUSBメモリ使ってるの?

企業やプライベートで利用される便利なUSBメモリは、実は情報漏洩事件が非常に多く、情報セキュリティ対策を真剣に検討するのであれば利用を禁止した方が望ましいです。

「そんなことを言われても」と思うかもしれませんが、代替できるサービスも今は増えていますので、上手に仕組みを作り、情報セキュリティについて安心できる体制を整えましょう。

こんなにあった!USBメモリ絡みの事件

USBメモリが関係している事件は、実はものすごい量に上っています。2019年の上半期だけを振り返ってみても、

2019年1月15日 銀座十字屋 会社貸与のPC端末及びUSBメモリを紛失

2019年2月21日 一戸町 町立学校教諭が生徒の個人情報57件を含んだUSBメモリを紛失

2019年2月27日 富士精工 不正アクセスで得た営業機密情報をUSBメモリに転送、中国籍の従業員を逮捕

2019年3月4日 阪南大学 学生の個人情報1,169件が記録されたUSBメモリ紛失

2019年3月29日 うつのみや病院 健診データ700件を含んだUSBメモリ紛失

2019年4月10日 吉川松伏消防組合 職員が上司のデスクから盗み出したUSBメモリから人事情報をSNSに不正流出

2019年4月17日 相模原市中央区選挙管理委員会 6,123件の個人情報を含む統一地方選挙の選挙人名簿を記録したUSBメモリを紛失

2019年4月22日 福島県立医科大 患者情報含むUSBメモリが海外で盗難被害

2019年4月23日 ライフコーポレーション 従業員が顧客情報1万3,987件を含むUSBメモリを紛失

2019年5月10日 臼杵市環境保全型農林振興公社 農家の銀行口座情報など1,200件含むUSBメモリ紛失

2019年5月20日 山梨日日新聞社 従業員が読者懸賞への応募者の個人情報200件が含まれたUSBメモリを紛失 

2019年6月4日 蒲郡市 車上荒らしにより市立小学校教員が車内に保管していたUSBメモリの盗難被害に

2019年6月7日 瀬戸内市 市内の保育園で複数名の個人情報を含むUSBメモリを紛失

2019年6月21日 松戸市教育委員会 市立中学校教諭が在校生822人の個人情報を含むUSBメモリを紛失

2019年6月24日 立命館大学応援団OB・OGの個人情報約1,000件を含むUSBメモリを紛失

2019年6月25日 高木工業 従業員56人分の賃金台帳と給与明細などを含むUSBメモリを紛失

2019年6月26日 東洋大学 個人情報が保存されたUSBメモリを紛失

と、非常に多いことがわかるかと思います。これらはあくまで発表があったものですので、水面下ではより多くのトラブルが起こっているだろうと推測されます(特に自治体、学校、病院などは公表指針が厳しいため表に出る件数も多くなります)。

事件の中には、一般的な個人情報だけでなく、企業における人事や給与などのデータ、営業上の機密データ、医療機関では患者の検査データなども紛失・流出が起こっています。

USBメモリの特徴

USBメモリは小型、安価、大容量、読み書きスピードが速いなどメリット多数
USBメモリは非常に多くのメリットを有しています。小さく携帯に便利ですし、大容量で読み書きスピードも非常に速く便利です。そして使用者に技術を必要とせず、誰でも簡単に使用できます。

しかし、それらメリットは情報セキュリティ上は全てデメリットです。また、実はHDDなどと同様に、削除したデータでも読み出して復旧することが可能な場合もあるため、ひとつのメモリの流出から予想外の情報漏洩が起こることもあります。

USBメモリを使うなら
あまり推奨はできませんが、USBメモリを使うのであれば厳密なルールのもと、社用に管理された端末で制限をつけて使うべきです。基本的にはUSB機器の接続を禁止するように設定したり、USBメモリへのアクセスにはパスワード入力が必要な製品を使用するなど、自由で快適な使用を制限する必要があります。

USBメモリを使わないために一番いいのはクラウド型のファイル転送サービス

USBメモリを使わないために最も良いのは、今のところはクラウドで提供されているファイル転送サービスです。

特に、企業で契約して使えるサービスであれば、管理者が一括して入出力のデータを確認できますし、ダウンロードのためのパスワードを付加したり、データの有効期限を定められるので使いやすいでしょう。

今は昔とはインターネットインフラが大きく変わり、どこでもある程度の速度でデータのダウンロードができるようになっています。訪問先や外出先でクラウドサービスを使って安全にデータをやり取りしても、相手に失礼になるほど時間を奪うようなことはありません。

また、暗号化された通信方法を提供してくれていますので、リスクを侵してUSBメモリを使うよりも、通信面でも安心です。

そもそもUSBを使わざるを得ないワークフローなのかをよく考えて、可能ならUSBメモリが必要ない仕事の仕方を作っていくべきです。情報漏洩事件では、サービス残業の持ち帰り仕事のためにUSBメモリを使用している例も散見されます。

セキュリティを考えることは、業務全体を見直し、全体を最適な方向に再設計することにもつながります。コストと相談しながら、リスクの少ないワークフローを再度検討してみましょう。

まとめ

昨今の情報セキュリティ事件では、USBの紛失や盗難、悪用による事件も非常に多くあります。IT機器のリテラシーの高くない職種ではUSBメモリは便利に使える反面、セキュリティ上のリスクが大きくなるため注意が必要です。

安全なファイルの受け渡しを可能にするクラウド型のファイル転送サービスが、現時点では最も最適な選択肢になるでしょう。予算と相談しながら、ファイルの受け渡し方法や仕事の仕方の改革に取り組んでみてください。