助けるビジネス、未来にプラス

質の低い会議にありがちな5つの過ち

社内で開かれる様々な会議。その頻度や時間は各社様々だと思いますが、あまりにも長すぎる会議や、時間はかけたけど結局何も決まらなかったという会議を一度は経験されているのではないでしょうか。

私が経営コンサルタント時代に、様々な会議の進行役、いわゆるファシリテーションを任されることが度々ありました。色んな会社様の会議に参加すれば当然質の高い会議と質の低い会議の違いが明らかになっていきます。

今回は、質の低い会議にありがちなことをまとめてみました。

質の低い会議にありがちなこと

そもそも質の高い会議とは何か?

質の低い会議について論じる前に質の高い会議とは何か、ということを定義したいと思います。私が考える質の高い会議とは「会議の目的をより短い時間で達成できる会議」です。

会議は、会社の何人ものリソースが投入され、今日の飯を食うためではなく、明日の飯を食うためのものです。それでも、会議を行うからには明確な目的が必要で、その目的を果たすために会議が行わなければなりません。

それが、短い時間であればあるほどより質の高い会議ということが言えると思います。つまり、質の低い会議とは「会議の目的が達成されずに、時間ばかりかかる会議」と言えます。

1.目的が決まっていない

前述したように、会議には明確な目的が必要です。つまり、「今回の会議は何のために行うのか?」という問いに対して答えられない会議は、会議としての意味を成しません。

企業の中には、会議の主催者が目的を共有せずにメンバーを招集してしまうことがあります。

これでは、どのような準備をしてその会議に臨めばいいか全く分かりませんし、会議の目的が共有されないままが進めば、必ずどこかで話が噛み合わなくなります。

もしくは、理解をせぬまま疑問が解消されずに会議が終わってしまえば徒労に終わってしまいます。因みに会議目的を決定する大前提としては、“その場が何かを決定する場”であることです。

何も決定しなくて良い会議は単なる報告会や連絡会でしかなく、決定しなくてよいのであれば集まる必要はほとんどないはずです。

2.話し合うことが決まっていない

当たり前に思うかもしれませんが、当日の議題が決まっていないまま会議が開催するケースも珍しくありません。

会議参加者に今日は何を話すんですか?と聞くと「いや、何も聞かされていないです」と答え、会議主催者に話を聞けば「まずは集まってもらってみんなに意見を聞いてみようと思う」というようなあやふやな返答をいただくことも。

目的を達成するために話し合うのはOKですが、何かを話し合うために話し合うのは本末転倒。目的や内容が事前に決まっているだけで会議の質と投下する時間は大幅に変わってくると思います。

3.参加者が会議に参加する準備をしていない

目的と内容が決まっていても、会議参加者が準備をせず会議に臨んでしまっては、せっかくの目的が達成されずに終わってしまいます。

例えば、事前に資料を読み込んでおくようにという指示があったにも関わらず一人の参加者が読んでなかった場合、その人をフォローするために全員の時間を割くか、その一人の理解度が低いまま会議が進むことになります。

そういったことを避けるためにも、事前の連絡はもちろん、前日や直前にも上司が一言声をかけておくなどのフォローがあっても良いでしょう。

4.時間が管理されていない

実は最も多くの企業でありがちなのが、時間管理がされていないことでした。特に、開始時間は決まっているものの、終了時間が決まっていない会社は非常に多いです。

当然真剣に話し合えば話し合う程議論は白熱していきますのでどうしても会議は長くなりがちです。だからこそ終了時間を決定したうえで、各議題をそれぞれどのくらいの時間で話し合うかを最初に決めておくと良いでしょう。

一つの議題が長引いた時に軌道修正できますし、話が長い発言者が現れた時に、議題の残り時間が少ないので、という理由を使って角を立てずに議論を前に進めることが出来ます。

5.決定しない

冒頭にもお伝えしたように、会議の大前提は“何かを決定する場である“ということです。いろいろな企業様を見ているととにかく決まらない。

もちろん、どうしてもその場で決めれないことも沢山あると思います。ただし、それをいつ決めるのかを決めなければ永久にその議題は解決しないでしょう。

会議に参加していると必ず、「じゃあそれは次また話し合おう」「俺が考えておくよ」と言ったあいまいな返答で会議が進んでしまう時があります。

そんな時は要注意!ちょっと待ったと制止してでも必ずいつ・だれが・なにを・どのように決定するかを話し合うべきです。会議で話し合うのは決定をしてアクションをするためにあると言っても過言ではありません。

会議の質が高まってくると、アクションをどのようにするかを参加者自身が逃さないようになっていきます。

番外編 これだけはやってはいけないこと:意見を全否定する

番外編として紹介するのは、出た意見を否定してしまうこと。

会議はあくまで全員で作るものなので、影響力の強い人がせっかく出た意見を潰してしまうと、その会議の生産性は劇的に落ちるばかりか、結局〇〇さんの意見が通ってしまうという評判が広まり、今後への悪影響が出てしまうというケースも見受けられます。

特に多いのは経営者や役員が若い子の意見を潰してしまうこと。「そんなの無理に決まっているだろ」と自分の中の当たり前を持ち込むのは絶対に避けた方が良いでしょう。

もし、そういう人がいればある程度事前に釘を刺しておくことも会議主催者の大事な役割だったりします。

まとめ

今回は、質の低い会議にありがちなこと5つを紹介しました。裏を返せば、この5つの状態にならない会議ができれば自ずと質の高い会議になるということです。

質の高い会議は質の良い仕事を生み、業績にも繋がっていくでしょう。まずは出来ることからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。