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“脱思考停止就活論”から学ぶ、健全な自己否定のススメ。

おはようございますこんにちはこんばんは。編集長のSeinaです。

就活という言葉から皆さんは何を連想しますか?真夏にリクルートスーツを着て、面接会場に走った人。自己PRが上手く伝えられず、お祈りメールを見てしばらく落ち込んだ人。やっとの思いで内定を掴んで嬉しくて涙した人。

それぞれ楽しい思い出も苦い思い出もあるでしょう。

私が独立当初に悩んでいた頃、ランチをご一緒し、多方面で助けていただいた株式会社グラビティフロー代表取締役の池田 秀一さん。著書である脱思考停止就活論~人生を主体的に導く思考法~はスライド共有サービスSlideShareにてTOP5%に入ったスライドをより色濃くした内容になっています。

中でも印象的なのが“健全な自己否定力”の重要性。それすなわち、“今の自分の考えが絶対的に正しいと考えるのではなく、常に自分に対して否定力をかけながら変化していく力”を指します。

それが何故、必要なのか?仕事に限らず、人生やライフスタイルにおいても非常にためになる内容だったのでまとめました。

脱思考停止就活論の概略

本書の主題

社会との接点が少ない大学生が、“就活“というフィールドに立たされる時の不安は計り知れないものです。

私も当時を思い返すと、就活を成功させるために”どのように就活すべきか“というHowの情報を取り入れ、選考に臨むということを繰り返していました。

本書はそんなHowに引っ張られて就活をすることに警鐘を鳴らしています。

”巷に溢れている”How“の中かからどうやって自分にとって有効なHowを見つけ出し、考えられるようになるか”が本書の主題。

受動的ではなく、能動的にHowを活用するためにはどうすればよいのでしょうか。

概略

本書では、これからの時代に必要なのは自分で自分のキャリアを導く力“キャリアリーダーシップ”の力が大事だと説いています。

特に就活は、今までの学校教育と全く異なります。教育において私たちが身に付けた力は、“唯一の正しい解を正しいやり方で導くこと”。一方就活においては、“自分にとっての成果を自分のやり方で導くこと”が必要です。

しかし、ギャップがあるのにも関わらず“思考停止状態”に入って目の前のHowに走ってしまう。そんな状態を抜け出すためには、Howの前にWhat、Whyを考えることが必要だと説明しています。

つまり、What=そもそも就活とは一体何なのか?Why=何故就活をするのかをまず考える必要がある。これは就活だけでなく勉強や仕事、結婚や人生などあらゆることに応用できる考え方ですよね。

私が本書の好きな部分は、就活における様々なWhatがきちんと定義されていることです。下記、抜粋です。

就活生における就活とは、
「自分が入りたい会社から内定をもらうための活動」

企業における採用とは、
「企業の存続・発展のために必要な人材を確保する戦略」

企業における選考とは、
「目の前の人材が自社の存続・発展に貢献する人材かを戦略的に見極める行為」

出発点が明確であれば、後から悩んだ時に立ち戻ることができますよね。

加えて、Whyを考えることで「私は何故就活をするのか?」と問いが自分自身に対して立ちます。就活をするまで自己理解を深める機会って中々ないですし、ましてや言語化する機会や必要性が無いのでこれが難しい。

だからこそ貴重な訳で、WhatやWhyを踏まえてHowを取り入れると情報の意味づけが大きく変わります。これが重要だと私は感じています。

企業の理解や選考の理解をするポイントも記されていますが今回は割愛。最終章ではサブタイトルである“人生を主体的に生きる”ことを中心に触れています。

池田さんとお話ししていると“健全な自己否定”というワードが毎回のように飛び出てきます。

本書では、”沢山の情報が溢れている中で、自分の解を持ちながらそれを暫定の解としておくことで、変化の余白を残し、ブラッシュアップを繰り返すことが重要”だと紹介されています。

つまり、新たな気付きを得た際に今ある暫定解を手放し、自己否定をするので“健全な自己否定”という訳ですね。それによって他者と相互作用して学び続け、変化し続けることができると健全な自己否定のメリットを訴えています。

考察

思い通りを手放す

以前の記事でも書きましたが、私は“自由”を求めて独立をしました。自分の好きな時間に働いて、好きな場所で仕事して、自分が好きなようにお金を使いたい。フリーランスになりたい人の多くはこういう考え方を持っていると思います。

私は事業が軌道に乗ってきて、時間と場所とお金に縛られない状態をほんの少しだけ経験することが出来たのですが、別にそこまで幸せじゃないな、と感じてしまいました。

私にとって、自由を手に入れることは喪失感を覚え、寂しさを感じるものだったのです。

そこで私は“独立前の暫定解”を手放し、法人化をするに至りました。法人化を迷った時も、「事業が安定してからのほうがいい」「年商1200万を超えたら税務上メリットあるからそのタイミングで」などのアドバイスを沢山いただきました。

しかし、自分の中の暫定解として“覚悟を持って決断すれば、最終的に死にはしないし、結果上手くいく”というものがあったので、タイミングも後押しして法人化をしました。

結果、沢山お金はかかるし、決めなきゃいけないことはあるし、周囲の期待にも応えたいし、プレッシャーは増えまくりです。はっきりいって思い通りにならないことばかりで、頭を抱えることも多いです。

でも、物事が思い通りにいっている時よりも思い通りにいってない方が生きてることを実感するんですよね。そして、自分の弱さや甘さを実感しまくるので否が応でも成長しなければなりません。

Seina流、相手の話を鵜呑みにしない脱思考停止術

私ははっきり言って、ずる賢いタイプの人間だと思います。一定の空気を読みながら、その場におけるベストな立ち回りを出来るように常に心掛けていたりします。まっさらに、純粋な気持ちで相手の話を聴くことは恐らくほとんどありません。

つまり、相手の話は基本的に鵜呑みにしません。それがよく作用することもあれば、悪く作用することもあるのですが、これが私なので仕方ない。

ただ、思考停止はさほどしないタイプなので、私が普段相手の話を聴くときに実践していることを記してみます。

本書では、思考停止状態を“自分で深く考えずに盲目的に情報を鵜呑みにしている状態”と定義しています。

そうならないために、私は相手の話を聴くときに、“自分の分身を2体召喚する”ようにしています。真面目なトーンで何を言っているんだと思われてしまいそうですが、大真面目です。

基本的に私は、相手の口から発せられた言葉を基本的にあまり信用していません。多くの場合、頭で考えていること・心で感じていること・体の反応の3つが同じメッセージを発していることは少ないです。

例えば、商談を終えた際に担当者が「前向きに検討させていただきます」と言葉として発していても、明らかに感情がこもっていなかったり、姿勢が後ろのめりだったりすることはよくあります。

そういった場合、“正直、今回の提案は〇〇様にとって魅力的ではなかったのではないかと私は感じたのですが、どんな感想をお持ちですか?”と一言添えることができます。

つまり、自分本体+分身2体に、頭と心と体にそれぞれフォーカスさせて話を聴くということです。これを前職の部下に話したところ、「何を言っているかよくわかりません」と言われました。もう少しうまく説明できるように成長したいと思います。

これはニュースや人づての情報にも応用させています。情報を真っすぐ受け止める自分、情報発信者の意図を考える自分、この情報によってどんな利害が生まれるかを考える自分の3つです。要は表面・中身・裏面の3つから考えるようにしています。

それによって多角的な視点を持つことが出来、情報に惑わされなくて済みます。もちろん、常時出来ているわけではないですがそんなことを心がけるようにしています。

まとめ

私がこの書籍をオススメしたいのは、池田さん自身が常に思考停止せず、健全な自己否定を掛け続けて変化してきたからに他なりません。

現在池田さんは若手の育成研修や企業のコンサルティングをメインに活動されていますが、元々キャリア教育に興味があったわけではなく、就職した企業の人事部に配属したことがきっかけでした。

また、お子さんが生まれたことで、自分の時間を最優先してきた生活から誰かのために時間を捧げる有意義さに気づき、受注した仕事を全て手放してライフスタイルを再構築しています。

実践者だからこそ語る健全な自己否定の重要性と、脱思考停止のススメから得るものは非常に学びが多かったです。是非ご一読ください。最後までお読みいただきありがとうございました。