こんばんは!ライターのたろっちです。
先日、「僕は、居酒屋バイトをクビになったから会社を作ることが出来た。」という記事を読みました。
居酒屋でのアルバイト時代のことが赤裸々に書かれており、自分は果たしてどうだったか、ふと思い出してみました。
そういえば、一時期肉体労働のアルバイトをしていたなと。肉体労働とは無縁どころか、頭ごなしに怒鳴られるのが怖くて、一切踏み入れることはないと思っていましたが、とある理由で働くことになりました。
大学生になってしばらく、バイトらしいバイトをしておらず、そろそろ探そうかという時に、私の父親が「お前にバイト先を見つけてきた」と言い出します。
それが肉体労働です。父親が建設資材メーカーに勤め、よく発注をする下請けの会社の人手が足りないので働けという、半ば命令のようなものでした。
父親は言い出したら聞かないのと、私自身、パソコンを買おうとしてたので、嫌々ながらバイトに向かいました。
最初の方もそうでしたが、とにかく手際が悪い姿を見せると、とにかく怒鳴られます。
建設資材のメンテナンスや床のクリーニング作業が主な仕事で、掃除機のようなもので汚れを吸い取る際に、ホースがぐちゃぐちゃする、電源コードが絡むなんてことがあるとすぐに怒声が。
仕事もロクに教えず、すぐに大きな声を出す、そりゃ若者は来ないわと思いました。
私自身、入った初日にもうやめようかと思ったぐらいです。しかし、そこは父親のメンツも立てなければならず、そこからは忍耐の日々です。
働き方改革なんて言葉がありますが、一番きつかったのは、1日で2つの現場を掛け持ちしたことです。
朝8時集合の朝8時解散でした。決して、集合して即解散したわけではありません。
1つ目の現場で夕方まで働き、そこから中4時間ぐらいで2つ目の現場で働き始めました。中4時間は移動やら準備、後片付けなので寝られませんし、自由時間もないです。
24時間すべて拘束されたようなもので、まさに24時間働けますか?
リゲインのCMのような状態でした。リゲインのCMと言われても、若い人にはピンと来ないかもしれませんが、しんどかったことしか記憶にありません。
もう1つ気になったのが、ドタキャンが多い現場だったことです。人手不足ということもあり、私より後から入る人がドンドン。
自分より大人の人しか入ってこないのですが、きつい現場だったからか、早々にドタキャンをしていきます。
頭数に入っているのに全然連絡がつかない、しわ寄せは雑用係の自分にすべてかかるので、何度腹を立てたことやら。
自分より前に入り、優しく指導してくれた人もある日、全く連絡がつかず、それっきり。
夜勤が何週間も続き、蒸し暑く、仕事しながら熱中症、脱水症状になるような環境だったので、気持ちは分からなくもありませんが。
学生時代に、フルキャストのような日雇い派遣の仕事を何回かやり、工場など軽作業の現場に行きました。すべてが初見なので、右も左もわかりません。
それに勝手がわからず、相当迷惑をおかけし、嫌な顔もされました。
肉体労働のアルバイトでは、慣れさえすれば先読みができたので、突っ立ったまんまで何もしないようなことはほとんどなくなりましたが、単純作業と手先の仕事は自分には向いていないと悟りました。
文章を書くとか、塾講師として喋るとか、アドリブが問われるものや自分で表現できるものはとても好きですが、常に同じ仕事のようなものは飽きます。
ゲームのレベル上げとか、自分は大嫌いです。自分の好きなもの、嫌いなもの、得手不得手を肉体労働のアルバイトで感じ取れたのはとても大きかったと言えます。
今、私は水分をしっかりと補給するようにし、水2リットル以上は飲んでいます。
このきっかけもまた、肉体労働のバイトをしてからです。初日にあまり飲まずに仕事をしたら、夏の暑さに水分がすぐに抜け、フラフラな状態に。
それ以降休憩に入るたびにアクエリアスをガブ飲みしました。
少しでも汗をかけば麦茶を飲む、外に出る機会が多ければ塩飴をなめるなど、熱中症や脱水症状にならないよう、自分の身を守ることへの意識がかなり高まりました。
手際が悪いとすぐに怒鳴られる、これはどの肉体労働の現場でも同じかもしれません。
教える側に余裕がない、そんなことに労力はかけたくないと思うから、怒鳴って人に教えたら相手がどう思うかという配慮がないように感じました。
私も人に物を教える時がありますが、まず仕事関係で相手を怒鳴ったことは一度もなく、苦言を呈したのも数えるほどです。
打たれ強い人か、そうでない人か、それを見極めないといけません。苦い過去がありまして、私がとある企業で働き、店舗責任者だった時代に、女性のアルバイトが入ってきました。
精神的に不安定だと面接でお聞きし、配慮を重ねたつもりでしたが、1日で辞めることに。理由を聞いてみると、私の指導が上から目線だったと言います。
上司からは、後輩の指導がちょっと甘いんじゃないかと言われるぐらいだったので、それでもまだ上から目線と言われてしまうのかと驚きましたし、ショックを受けました。
自分はまだ全然分かってなかったし、柔軟な対応ができなかった。
人への教え方、物の伝え方は神経をすり減らしてでも考えなければならない、それを学びました。
肉体労働は自分には向いていないと今も感じていますが、だからこそ、リスペクトの気持ちは持っています。自分にはできないことを必死に行う人への配慮は持つべきですし、肉体労働のバイトをきっかけに持つようになりました。
例えば、自宅で工事が行われる場合、作業員の方にペットボトルのお茶を出しています。仕事なんだからと思われるでしょうが、やはり人間です。その配慮があるだけで気持ちよく働いていただけると思います。
人が嫌がる仕事を一生懸命やる人がいるから、私たちは幸せな生活、自由な毎日を過ごせています。どんな仕事をしているかで差別をする、そんなことは最低です。
ゴミ収集車に乗って日々ゴミを回収する人がいなかったら我々の生活はどうなるでしょうか。違う立場、違う職業に対する尊敬の念、配慮は必ず持つべきです。
ただ、自分が不得手とする肉体労働のバイトをしていなければ、そんな気持ちは湧かなかったかもしれません。
仕事なんだから当たり前じゃん、意外とそのように考える人が多いです。お茶の1本、アメの1つでも差し出すだけで、気持ちよく働いていただける、そう思えるようになったのは、間違いなく肉体労働のアルバイトを経験したからです。
給料はそれなりにもらえ、1日で1万円はもらえていたように思います。
しかも日払いなので、お金はどんどん増えました。今みたいに散財するようなものを嗜んでおらず、純粋な少年だったので、パソコンだけを買えればそれでよく、あとは貯金に。
それに、仕事中は怒鳴ってる人も、休憩中は優しいので、肉体労働をする方はそんな人が多いと気づかされました。貴重な経験をしましたし、思い出したくもない過去ではありません。ただ、もう二度とやりたくはないです。