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両親が保有している不動産の売却を、プロに相談してみた。

こんばんは。編集長のSeinaです。
シンガポール旅行中に父と電話した際、バブルの時に買った投資用不動産の売却を考えているという話がありました。

そこで、普段からお世話になっている株式会社柴総合計画の柴社長に不動産の処分について話を伺ってきました。その様子をお届けしたいと思います。

経営者プロフィール

柴 英寿
株式会社柴総合計画 代表取締役。建物の購入・売却の仲介から建物の運営・管理、建替や回収の相談まで不動産の課題解決をワンストップで行う。

インタビュアー

Seina
SENA株式会社 代表取締役。「私が御社のNO.2になります!」をコンセプトに中小企業の営業支援を行う。著書に「分かりやすい提案書の3RULE5DESIGN」「今さら聞けないテレアポのキソキホン」など。

相談の経緯と概要

相談に至った経緯

父の不動産売却について電話で伺った際、私もどのような観点で売却を検討したらよいか分からず誰に相談したら迷っていたらピンと思い浮かんだ方がいる。

株式会社柴総合計画の柴社長だ。東京都中央区、東銀座から徒歩3分ほどの便利な場所に事務所はある。内装も綺麗でリラックスして話ができそうな空間である。

以前、私が事務所に伺った際、柴社長は事業に対する熱い想いを語ってくださった。

「一級建築士として不動産業界を変えたい」

「建築のプロの目線を兼ね備えた不動産業者を目指す」

「お客様にとって本当に価値のある提案をしたい」

柴社長ならきっと父も安心して相談できる。そう思って時間を割いてもらったのだ。

物件の情報と父の相談内容

現在両親が保有している不動産の状況はざっくり以下の通り。

ワンルームA/母名義/入居者有/残債小
ワンルームB/父名義/入居者有/残債中
ワンルームC/父名義/入居者有/残債大

父の調べでは、どれも購入時より相場は1/7程に落ちてしまっているらしい。購入時に組んでいたローンが残債として残っており、売却することで残債を消せるなら月々の負担も減って助かるということらしい。

今回は売却するタイミングが適切なのか、売却価格はどの程度を考えれば良いのかを相談したいようだ。

いざ、相談へ

――柴社長、本日はよろしくお願い致します。

柴社長:こちらこそ事務所まで足を運んでいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。

父:今保有している不動産の売却を相談したいのはもちろんなのですが、昔と今の不動産事情の違いなんて話も聞けたら嬉しいです。そういった話をするのが好きなもので。

柴社長:分かりました、是非ゆっくりお話ししましょう。


いきなり本題に入るかと思いきや、私との出会いの経緯を説明してくださり、父の会社のことについてもうんうんと頷きながら話を聞いてくれた。

いくら相手がプロとは言え、自分が所有している不動産の話を他人に話すのは勇気がいることだろうと思う。こういった何気ない話もとても大切なんだろうなと思いつつ父の話を聞いていた。

そしていよいよ本題に。


父:今持っている不動産の中にはかみさん名義の物が一つあるんですけど、かみさんは不動産にいい思い出が無いからそんなに話さないんです。

ただ、オリンピックも近づいてきたり、大きな災害のニュースを見ると今が一番売り時なんじゃないかと思っていて。

もちろん当時から比べたら価値は大きく下がっているだろうけど損失被ってでも売りたいんですよね。かみさんに話したら残債が消えて売れるんだったらいいんじゃないと言っていました。

かみさんとはXX万円位の金額で売れたら御の字だよね、なんて話していたんですが実際不動産の価格はこれからどうなるんでしょうか?

柴社長:不動産が将来的には上がるかどうかははっきり言ってわかりません。ただ安倍政権になってから不動産価格が上がったのは間違いないです。

最近の市況で言えば、スルガ銀行のような事件が起こったこともあり、ここ半年1年は停滞気味ですね。

ただし、投資用不動産は良いです。昔と違って良いのは圧倒的に低金利なので富裕層はお金の置き所を銀行以外に求めている。

その中でも目に見えるモノにしたいと考える方は多いので投資用不動産の動きは活発と言えるでしょうね。

父:なるほど。投資家はどのくらいの利回りを求めているのでしょうか?

柴社長:築年数が浅い物件で5~6%。築年数が古い物件で7~8%、古い耐震構造のもので9~10%というところですね。

そう考えるとこちらの物件は大体XXX万前後が相場観になってきます。

父:それくらいで売却できたらいいですね。実際に売りたい場合はどうしたらいいのでしょうか?

柴社長:売り方としての選択肢は大きく分けて3つです。1つ目は、高く買ってくれそうなプロを探す方法です。メリットは、条件に合えば売却までのスピードが速いこと。そして確実に決済ができることです。

2つ目は一般に売り出す方法です。レインズと言われる不動産システムを使って案件を掲載し、買い手を待つということですね。

レインズとは、Real Estate Information Network Systemの略で、不動産物件情報交換のためのコンピュータネットワークシステムです。

不動産流通機構の近代化方策として建設省(現国土交通省)が企画し、不動産情報の標準化・共有化を目的に1990年に作られたネットワークシステムです。(HOME’S 不動産用語集より引用)

メリットは、自分の任意の金額を提示できるのでプロと比べて高く売れる可能性があるところです。一方、条件に見合わなければ買い手が付かないので売却までに時間がかかってしまう可能性がありますね。

3つ目は、自分で買い手を探す方法です。

お父様もよくご存じの通り、いろいろなところから不動産を売りませんかという営業がくると思います。営業先と直接条件交渉をしてご自身で売却を進めるやり方ですね。

この方法も高く売れる可能性があるメリットがある一方で、買い手を慎重に見極める必要があります。中には口だけで中々買わない業者や悪質なケースもあります。

父:なるほどねぇ…。どうしようかなぁ。

――お父さんはいつまでに物件を売りたいと思ってるの?

父:うーん。2~3か月以内、できれば年内って感じかなぁ。そうなると売りに出すことを銀行などに事前に連絡しておいた方が良いですよね?

柴社長:いえ、売主が決まったら銀行に連絡すれば問題ないですよ。銀行からすれば全額返済してくれればOKという考え方なので。

父:えぇ、そうなんですか。それは知らなかったなぁ。

柴社長:そうなんですよ。具体的にどのように売却を進めていくか検討していただくために、一度書類を拝見してもよろしいでしょうか。

父:はい、よろしくお願い致します。


そういって、柴社長は父から受け取った沢山の書類を眺めて、物件情報の分析を始めた。

柴社長:資料、ありがとうございました。こちらの建物は築年数は結構経っていますが、耐震基準は新しい部類に入るので良いですね。

父:そうですか。てっきり古い家だから耐震基準も古いのかと思っていました。

柴社長:実はそんなこともないんですよ。耐震基準は買い手としても評価ポイントの一つになるので良かったです。

物件の情報について今お伝えできることはお伝えしますが、お父様としてはどのようにされたいですか?

一度持ち帰ってご検討していただいても良いですし、本格的に売却に向けて動いて良いのであれば弊社の方で話を進めていくことも可能です。

父:私としては、とにかく売れる体制を作って少しでも早く売りに出したいと思っているのですが、どうしたらよいでしょうか?

柴社長:では一度私の方でより細かく物件の情報をお調べさせていただいて、概算の売却価格をお伝えできるように致しますね。

その上で、プロにスピード感を持って売却するか、レインズと言われるシステム上に案件を出して少しでも高く売れるのを待つか。概算の金額を見てもらった上で決めるようにしましょうか。

父:はい、その形でお願いします。

柴社長:かしこまりました。因みに、不動産を購入されたときの領収証はございますか?

父:恐らくこのケースの中にあると思うのですが・・・

柴社長:実は領収証はとても大事で、購入した時の金額を証明する書類になるんです。税金の支払いに大きな影響が出るので拝見したいのですが・・・。あ、ちゃんとありましたね。これなら大丈夫です。

父:確かに以前税理士さんに買った時の領収書を探してくれってすごい言われた記憶があるけどそういうことだったんですね。

因みにこの物件も見てもらえますか?最近借入先の銀行さんから売りませんかと言われて近々会うことになっているんですよ。

良ければ残債とトントン、少し残債が残った場合は残金をローン組めば大丈夫ですよと言われているんですがどうしたらよいでしょうか?

柴さん:残金が出たらローンを組むと言われたんですか?それはやめましょう。足が出ないように売りましょう。残金をローンで組むなんて僕はお客様目線で考えてくれてるとはとてもじゃないですが思えません。

足が出ないように売れる道は見えているので、少しでもお父様や奥様に負担が無い形での売却を進めましょう。

父:なるほど、そうでしたか。因みに春先までに売りたいと思っているのですが入居者がそろそろ引っ越しそうなんですよね。入居者が出た後に売る方が良いのでしょうか。

柴社長:投資用不動産は入居者がいたほうが売りやすいですよ。管轄が変わるだけなので、買い手からすれば利回りが予測できる状態で購入できるというメリットがあります。

父:それは知らなかったです。わかりました。

柴社長:では1件目の物件はお見積もりを取ってご連絡致します。2件目の物件は銀行からの交渉を受け、再度打合わせしていきましょう。

父:分かりました。その形で進めてください。よろしくお願いします。

柴社長:本日はわざわざ足をお運びくださりありがとうございました。どうぞ引き続き、よろしくお願い致します。

打合わせに同席してみて

今回、父の不動産の売却を信頼できるプロに相談している様子を間近で見ることが出来、非常に良い経験が出来た。

因みに3件目の不動産を売却にすることに父は後ろ向きだったのだが、その理由を尋ねられると「ほら、やっぱりなんか・・・寂しいじゃない」と言っていたのが印象的だった。

事業が成長して資金に余力が出来、不動産を購入する。それは自分がここまで頑張ったという一つの証明でもある。

そんな不動産が売却されることは父にとって、自分の努力の証明が失われるような感覚になるのかもしれないと思った。

一方で、父は初めてお会いした柴社長に不動産の売却を依頼したのだが、なぜ柴社長にお願いしようと思ったのか考えてみた。

私の中での答えは信頼性×専門性×中立性の3要素が満たされたからだと感じている。

まず人として信頼できる方なのか、ちゃんと話を聞いてくれるのか。

そして、高度な知識や経験を持ってクライアントに適切な提案ができるのか。

最後に、自社利益でなく顧客目線に立った時に中立性を保ちながら良きパートナーでいてくれるのか。

不動産に限らず、どの商売でも大切なことだと思う。父と食事を済ませ、帰り際に「今日は、本当にありがとう。」と私に言った父は、少し安堵の表情を浮かべているように見えた。

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