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フィリピン・マニラにある小人ボクシングを見て差別や偏見について考えた話。

フリーランスになって6か月目、念願だった一人旅がとうとう実現し、フィリピンの首都マニラへ。マニラに住む2人の日本人と全国を旅するYoutuberと共に観光したのだが、そこで訪れたとあるバーが衝撃的だった。

店内で若いねーちゃんを両脇に置いてお酒を楽しみながら、小人がガチンコでボクシングをしている様子を見て楽しんでいる沢山の客。世の中では自分が知らない世界が沢山あると痛感する。

日本だったら絶対に炎上するよねという会話をしながらふと考える。何故、日本では絶対に炎上するのか。差別や偏見とは一体何なのか。帰国した今、改めて考えてみました。

小人ボクシングを見に行ってみた

リングサイド・バー

そのお店はマニラの中でもひと際賑わっている町、マカティ地区に存在する。友人に、「とにかくここはやばい。コンセプトがまじで意味わかんないから。」と言われ、様々な期待を胸に膨らませてお店に向かう。

時間は夜の20時くらいだったか。お店に到着して目に飛び込んでくる“RING SIDE BAR”と書いてある看板と、見た目は大人だが、身長が120-130cm程の小柄な二人の男性。

「あの人達がガチでボクシングやるんだよ。」と友人は教えてくれた。どうやらショーがメインのBARらしい。

ショーが始まる時間に合わせて店内に入ると、店内は薄暗くクラブのような雰囲気で、ど真ん中にはこれからボクシングをやるのであろうリングと、それを囲うように配置されているソファー席やカウンター。

お客さんもそこそこ入っており、西洋人の多さが目立つ。私は英語を全く話せないが、店員が友人に何かを話しかける。店員が話しかけてきたのは「女の子、つける?」ということだった。友人は話す。

「この店が変なのは、ボクシングのショーとバーファインを組み合わせていること、つまりお金を払って女の子をお持ち帰りできるシステムを取り入れてること。どういうテンションで楽しむのか本当に訳分からん」

全くもってその通りである。確かに、マニラのマカティ地区には沢山のナイトクラブあり、男性は暇を持て余さない。けれどもこんなコンセプトのお店は見たことが無い。

私たちは女の子を指名せず、サンミゲルというビールを片手にボクシングショーを楽しむことにした。

小人が全力で殴り合う。友達は審判も体験

ショーが始まる直前、また店員が話しかけてきた。チップを払えば審判ができるけど、やる?と言っているらしい。Youtuberの友達は即答し、リングへと向かう。店内には観衆を煽るBGMが鳴り響き、歓声が上がる。

先ほどお店の前に居た小人がリングに上がると店内のボルテージは一気に高まる。小人も相手を挑発するようなパフォーマンスをして、また一笑いが起こる。友達の「Fight!」を合図にショーがいよいよスタートした。

単なるショーと思いきや、結構ガチンコで殴り合っている。当然ヘッドギアは付けているが、近くで見ると迫力が凄いし、顔面にパンチを思いっきり食らっているのをみると相当痛そうだ。

小人も観客の盛り上げ方を十分理解しているようで、わざと間違えて審判役の友達を殴ったり、終盤になるとヘッドギアを捨ててさらに激しい殴り合う展開になった。

終了のゴングが殴ると判定に。友達のジャッジで片方の小人の手を持って「Winner!」と叫ぶと、もう一人の小人は起こった様子で友達の股間めがけてパンチを見舞い、悶絶している友達を横目に小人は退場する。

最後まで会場は爆笑と歓声に包まれていた。

試合終了後には小人がチップをせがんでくる

友達がリングから戻ってきて「迫力めっちゃやばい!!」と興奮気味に伝えてくる。大満足な様子だ。ショーの余韻にひたっていると、小人が自分たちのところに寄ってきた。

さっきは審判ありがとう、と言わんばかりに握手を交わし、なにやら言っている。どうやらチップをくれ、と言っているらしい。どのくらいのチップをあげたかはあまり記憶にないが、友達とみんなで200-300ペソくらいあげたと思う。

日本円で500円程度だ。彼らの収入のメインはこのチップによるものだろう。私たちの席を離れると他のお客さんのところに回って同じようにチップをもらっていた。

ビールを飲み終えて店内を出るとマニラに住んでいる日本人の友達が「日本だったら差別だとか可哀そうって言われそうだけど、彼らは自分たちが見世物に使われているとは全く思ってないし、めちゃくちゃ性格が明るいんだよね。」と一言。

本人たちが実際にどう感じているかは分かり得ないが、私からも彼らは純粋にショーを盛り上げ、観客との交流を楽しんでいるように見えたことは間違いない。

小人を理解する

小人症とは

日本に帰国してから、この日の出来事は色んな意味でずっと印象に残っていた。

小人症という言葉は知っていたので、調べてみると“身長が著しく、本人や家族が症状の改善を希望している場合か、合併症を患っているおり治療が必要な場合に初めて小人症という病名がつく”ようです。

小人症にも、生育環境によるものやホルモンの分泌、染色体など様々な理由でなるようだ。そう考えると、彼らは“小人症”とは言えない。

エンターテイナーとしてショーに出演している彼の身長が一般的な男性と比べると低かった。それだけに過ぎないのだ。

差別や偏見について考える

私が彼らを初めて見たときに、偏見の目を一切持たなかったかと言われれば、否定はできない。

ただ私は彼らに特別な体験を提供してもらい、楽しい時間を過ごしたことは間違いない。

何のスポーツでも、競技者・観客・運営この3者は必ず存在している。そこにはもちろん利害関係もあるし、お金も動く。当然だ。

ここに“カワイソウ”という視点が入った時点で小人ボクシングは成立がしなくなってしまう。

私だけでなく、小人ボクシングを観たことがある人は誰でも思うだろう。日本ではこのショーはできないな、と。そう思ってしまう自分があまりにも悲しい。

あくまで仮説だが、日本で同じことを行ったときに出るネガティブな意見は大きく3つ。一つは小人への“カワイソウ”という偏見。もう一つは経営者への“ひどいお金儲けだ”という批判。

最後に、そこに行く観客への“非道徳的な人たちだ”という非難。連日テレビで報道されている、日本の芸能人や著名人の行いへのバッシング。

私は、たった一つの行いで世の中から徹底的に排除される動きがあまりにも強すぎると感じている。ネット社会が発達したことによる影響は否定できないだろう。

闇営業芸人としてメディアの注目をさらった宮迫は、吉本興業を辞めるどころか芸能界を引退する事態にまで発展した。著名なYoutuberはこぞって着なれていないだろうスーツで謝罪動画を次々に上げる。

コメント欄には数え切れない位の誹謗中傷のコメントが相次ぎ、見るに堪えない。何事にも正義と悪に分けられ、悪が更生する余地すら与えてもらえない。

そんなキレイゴトばっかりで生きていけるかなぁと思ってしまう自分はおかしいのでしょうか。そこにあるのは、本当にその他人を否定したいのではなく、他人を否定することで自分という存在を承認する行為なのではないか。

そう考えてしまう自分がいるのです。

まとめ

小人ボクシングは私にとって、自分に無い世界を体験させてくれる貴重な機会でした。外に視野を広げれば、自分の中の当たり前が当たり前で無くなる。

そんなことは当然だけれど、その出来事を自分がどう受け止めるかで、人として成長できるかが変わってくるのではないでしょうか。

自分にとってのマイノリティを受け入れる心をもう少しだけ持てたら、日本がほんの少しだけ明るいニュースで溢れるような気がしている今日この頃です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

seina
独立と同時期に離婚を経験し、フリーランスとして半年ほど過ごした後、法人化。著書に「分かりやすい提案書の3RULE5DESIGN」「今さら聞けないテレアポのキソキホン」など。地元・横浜での立ち飲みがマイブーム。

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