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本質をつかめ!ビジネスにも役立つ抽象的思考を鍛える

私たちは日頃いろいろなことを考えています。「今日は何を食べようかな」「この道はいつも混んでいる」「さっきすれ違った人、ちょっと素敵だな」など、考えているという意識はなくても、実は頭はグルグルいろいろなイメージを浮かべています。

考えること、つまり思考には2つの種類があるというのをご存知ですか?今回は、思考についてのプチ雑学をご紹介していきたいと思います。

思考には2種類ある

思考には2つの種類があります。それは具体的思考と抽象的思考です。具体的思考とは、文字通り物事を具体的に考えること。「今日のお昼は〇〇家のとんこつ醤油ラーメンを食べよう。

背脂多めで、麺硬め。トッピングに煮卵追加!」とても具体的ですね。これが具体的思考の例です。それに対して抽象的思考とは、物事を抽象化させ、本質を捉えるという考え方です。抽象化とは何か?ちょっと説明していきましょう。

抽象化させるとは?

抽象化させるというのは、物事から余計な情報をそぎ落として、シンプルにとらえていくということです。例えば、「りんご」「イチゴ」「スイカ」「メロン」は色や種類や味といった違いはありますが、すべて「果物」ですね。

このように、ひとつひとつ具体的な特徴に目を向けるのではなく、「果物」という共通点で括って捉えることです。では、先ほどの「今日のお昼は〇〇家のとんこつ醤油ラーメンを食べよう。背脂多めで、麺硬め。トッピングに煮卵追加!」を抽象化するとどうなるでしょう。

「今日のお昼は麺類にしよう」となります。すごく簡単になってしまいました。もはやラーメンすら麺類という大きな括りになっています。このように、色々な物事に共通する要素をまとめ、一般化することが抽象化です。

抽象的思考

物事を抽象化して考えることが抽象的思考です。では、日常ではどのような場面で抽象的思考が生きてくるのでしょう。いくつか例を見てみましょう。

・複数あるものの共通点を見つける

先ほどの果物の例です。バラバラに見えるいくつかの物事に共通するものを見つけると、バラバラだったものが一つの大きな括りとしてまとめることができます。

ビジネスの現場で言うなら、複数のユーザーのニーズの中から共通する事柄を見いだせれば、それが自社のサービスや製品に求められている真のニーズであるということが分かりますね。本質的なことが明確になれば「今やるべき」行動に移すことができるのです。

・1つ上の視点から考える

物事の上位概念を意識しましょう。「りんご」「イチゴ」「スイカ」「メロン」は、まとめて「果物」です。この「果物」というのが上位概念になります。

この考え方を販売業務の仕事に当てはめるとどうなるでしょう。「注文書を受ける」「発注処理を行う」「倉庫に出荷指示をする」「品物を納品する」「請求書を作成する」という各作業の上位概念を「受発注業務」と言うことができます。

個別に独立した作業としてではなく、まとまった1つの流れとしてとらえることで、イレギュラーな処理やトラブルにも対応できる応用力が身に付くのです。

・専門的スキルを一般化させる

専門的な知識は抽象的か具体的かというと、具体的なスキルになります。この専門的な知識をいかに抽象化するかということがポイントです。過去の経験で得たスキルや知識を自分の中で抽象化し、一般化させておくことで、違う分野の仕事にも応用できるのです。

例えば、ファミレスで店長をして得たスキルを「接客業での仕事」と一般化して蓄積しておけば、ファミレス以外の接客業においてもそのスキルを活かすことができる、という具合です。

・本質を知る

自分の行動に対しても抽象的思考をしてみましょう。自分の目標や欲求に対して、「それをしたらどうなるのか?」「なぜそう思うのか?」と、1つ上の視点から広く視野を広げて考えてみてください。

なんとなく「こうしたい」と思っていることを、それができたらどうなるのか?と自問していくことによって、自分が本当にやりたいこと、目標とすることが明確になってくるのです。

目的が明確になれば、実現するための具体的な手段が明らかになります。自分が求める着地点が明確になっていれば、あらゆる場面で遭遇する問題にも一貫性をもって対処することができますよね。いわゆるブレていない人というのは抽象的思考ができている人なのかもしれません。

抽象的思考と具体的思考をバランスよく使おう

抽象的思考と具体的思考について説明してきましたが、どちらが良いかということではなく、2つの思考方法を柔軟に行き来できることが理想的です。抽象的思考によって本来の目的が分かったところで、具体的思考に切り替えて具体策を考える。こんな風にして両方のバランスをうまくとって考えるクセができれば、痒いところに手が届くビジネスマンになれそうですね。ラーメンが食べたいと言ったらいきなり濃厚とんこつが出てくるお店より、好みを聞いてくれていろいろな種類のラーメンを勧めてくれるお店の方に行ってみたくありませんか?

抽象的思考をするためには

ビジネスシーンにおいても、抽象的思考ができるかどうかが大きなポイントとなることがお分かりいただけたかと思います。では、どうやったら抽象的思考を鍛えられるのか、日常生活でできる考え方のトレーニングをいくつかご紹介します。

・上位概念を意識する

複数のものがあったら、「これらをまとめると~」というように、グループ化してみましょう。例えば音楽、本、映画などは「エンタテイメント」というように、身の回りにあるものをグループ化してみます。

毎日の通勤途中で目にするものを、「これとこれの共通点は?」などと考えるようにしていると、だんだん“抽象化筋肉”が鍛えられそうですね。

・「それで?」という疑問を持つ

いちいち人の話にこういうことを言ってしまうと嫌な人になってしまうので、自分の心の中だけで思っていてほしいのですが、つねに疑問を投げかける目線をもつようにしましょう。

当たり前のことでも、「なぜそうなのか?」と広い視野で考えていくことが大切です。

・「要するに」と、まとめるクセをつける

抽象的思考とは、余計な情報をそぎ落としてシンプルに考えるということです。例えば、今日1日の出来事を誰かに伝えようとした場合、朝ごはんのメニューまで細かく伝えたら、細かすぎて逆になんだか良く分からなくなってしまいます。

1日の出来事を箇条書きにして、その日の流れが分かるように大きくまとめると、どんなことがあったのか分かりやすくなりますよね。いろいろなことを、自分なりに「要するに」と包括できるようになることが抽象的思考につながります。

まとめ

抽象的思考・具体的思考などと名称をつけると、すごいビジネススキルのように感じてしまいます。しかし、物事の本質や本当の目的を知ったうえで行動するという事は、仕事だけに必須のスキルではありません。

何が自分の幸せか、何のために仕事をするのか、何が人生の目的かという自分の「本当の目的」を知るためにも、抽象的思考をする=俯瞰で考えるということは大切です。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

riezo

「昼は会社員、夜はライターの2つの顔を持ちつつ、仕事の傍ら大学の通信教育で心理マネジメントを専攻。ビジネス系メディアを初め。女性向けメディア、映画レビューサイト、ECサイトなどで執筆中。乙女座A型。」

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