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研修講師のキモが身に付くと、土壇場に強くなる。

おはようございますこんにちはこんばんは。編集長のSeinaです。

皆さんはいままでにどんな研修を受講したことがありますか?新人研修、リーダー研修、ロジカルシンキング研修など種類は山ほどあり、色んな経験をお持ちの方も多いと思います。

その中には、非常に為になり学びになるものもあれば、講師が言っていることがよくわからず、ただ時間を無駄にしたこともあるでしょう。

私が前職で新人研修の講師や、登壇した経験を踏まえて、その立ち回りの術をまとめてみました。

社長に教えていただいたこと

研修講師へのリスペクト

まず、大前提として伝えたいのは、私は研修講師を極めている訳でもなく数回の登壇経験がある程度。今まで様々な研修を受けてきましたが、私はその世界で生きる人の足元には到底及びません。

その時間管理術や参加者が飽きずに為になる研修プログラム構成、そしてその立ち回り方含めてまさにプロフェッショナルの仕事ぶり。私が教わったことを自分なりの解釈で共有しようと思います。

相手に矢印を向ける

前職時代にとある会社に向けた新入社員マナー研修の講師を務める経験をしました。依頼を受けた時は、なんとかなるだろうと思っていましたが、日が近づくごとに不安はどんどん増幅していきます。

何回ロープレを行っても沢山のダメ出しを受けて、完全に自信喪失。新入社員が初めて受ける研修になるため、ビジネスマナーがきちんと身に付くかその重要な役割を担っています。

当然、質の低い研修で終わってしまえば、職場や取引先で恥ずかしい思いをし、お客様に迷惑をかけてしまうかもしれない。そう考えるとプレッシャーで押しつぶされそうになります。

そんな私に社長は言います。

「あなたはね、自分がどうみられるかしか考えてないの。自分が何をいおうかな、どんな風に進めればいいのかな、そんなことばっかり考えているのが丸わかり。自分にばっかり矢印が向いてる。

あのね、はっきりいってあなたがどう見られるかなんてどうだっていいの。そんなことよりみんなを見てあげて。みんなが今どこに目を向けているのか、どんな表情をしているのかよく見てあげて。

あなたも緊張してるかもしれないけど、新入社員の子たちはどんな気持ちでいると思う?いっぱい不安を感じていると思うよ。そんな子たちの気持ちを考えずに自分が上手く話そうだなんて浅はかな考えは今すぐやめて。」

返す言葉もございません。確かにその通り。私は受講生の気持ちも考えずに、ただ自分が話す台本を体に叩き込むことだけ考えて準備していた。でもそれが目的ではない。

あくまで受講生にとって価値のある時間になるかどうか、そこに焦点を当てて準備し、臨む必要があるのだ。

“いまここ”に集中する

でもこれが意外と難しい。確かに相手に矢印を向けることは頭で分かっているのだが、やはり自分がどう見られるかが気になってしまっている自分がいる。

そのためには、繰り返し繰り返し準備をして、自分が話すことは空で言えるようにならないと相手に矢印を向けるだけの余裕なんて当然持てない。

それはもう、コツコツと時間に余裕をもって準備するということ以外ないでしょう。それでも、かっこつけたい願望のある私に社長は諭すように教えてくれました。

「ある程度内容が頭に入って、相手のことも見れるようになったけど、当日は何が起こるか分からないからね。研修にハプニングは付き物だし、自分がどれだけ色んなトラブルを想定していても、絶対に想定しないことが起こるものだから。

プロジェクターが起動しない、パソコンがフリーズした、会場の空調が壊れて研修どころじゃない、そんな時でも“いまここ”に集中して研修講師は目的と目標を果たさなければならないの。

だから、当日までに100準備していたことがあったとしても、当日話すのはたったの1くらい。それぐらいの心づもりで臨んでごらん。」

私は研修講師という仕事に大きな憧れを持っていましたが、この言葉を聞いて裏側ではこんなに時間を掛けて受講生を想い、準備されているんだと感動した記憶がずっと残っています。

正解を手放すということ

その話を踏まえると、自分の中での筋書きを持っておきながらいつでもそれを手放せる余力を持っている必要があるという解釈が出来ます。

以前書いた記事でも紹介した、“暫定解を持ちながら余白を残して変化する”という考え方とぴったり一致します。自分の持っている正解を手放すというのは本来恐怖を感じる行為。

その行為をポジティブに受け入れ実行するためには、準備を重ね、相手に矢印を向けながら、いまここに集中して最善を尽くす必要があります。

みなさんが同じ立場だったら、自分が用意した筋書きをいつでも手放せる勇気は持てますか?これは非常にハイレベルな考え方だと思いますが、恐らく人気の研修講師はこういったことを常に考えているのだと思います。

実際に研修講師をやってみた

いよいよ当日はやってきて研修当日。沢山のトラブルがありました。

・受講生に用意していた、お弁当が業者さんのミスで届かずタイムスケジュールに大幅な変更が必要に。

・マナーに関する質問で自分では全く分からない領域の質問がバンバン出た

・プログラムをいつの間に飛ばしていたようで、タイムスケジュールを急遽組み替える

などなどいろいろあったと思います。ただ、やはり事前に教わった相手に矢印・いまここ・正解手放すの3つを知れていたことで比較的大きなトラブルにはならずに、研修を終えることが出来ました。

今まで様々な仕事を経験した中でもトップクラスでずっと気を張っていたので家に到着してからの記憶が無く、いつの間にか寝ていたようです。今思い出しても有難い経験をさせてもらったなぁとつくづく思います。

同窓会の司会進行で経験が活きた事例

研修講師の経験がたっぷり活きたと思ったのが、つい最近の記事でも書いた同窓会で司会を行ったときです。

基本的に司会が何を話すかは誰も興味を持ってないと分かっているし、みんなが楽しんでくれることが重要なので非常に気楽な気持ちで司会をすることが出来ました。

研修講師の時のテクニックとして教わったのは会場を広く使うこと。会場前方中央で突っ立って話しているだけでは飽きますし、集中力も持ちません。

場を盛り上げるためにクイズを行ったのですが、マイクを持って横幅と奥行を十分に使いました。色んな人にマイクを渡してつまらない人が出ないように工夫をすることが出来たと思います。

ムードメーカータイプだった同級生に無茶ぶりをして会場が大ウケしたときの私のドヤ顔たるや相当なものだったでしょう。

当日は、友人と二人で司会をしたのですが、彼は大手通信機器メーカーのトップ営業マン。会が始まる5分前には吐きそうといっていた彼も、営業という戦場で幾多の戦いをくぐり抜けてきた勇猛な戦士です。

会が始まった途端にまあ滑らかな話しぶりで進行をしてくれること。こうして、研修講師の経験はプライベートの経験にも活かされ、当日はとびきり美味しいお酒を飲むことが出来ました。

まとめ

結果として言いたいのは、自分が経験してきた様々なことは全てパズルのピースとなって自分を作ってくれているということです。どんなに当時苦労や挫折を経験しても、自分の捉え方で全てプラスに出来る。

タレント明石家さんまさんの座右の銘は、「生きてるだけで丸儲け」だそうです。

沢山のことを経験させてもらえるのは本当に有難いことだし、今一つのコンテンツとしてこうやって記事を発信できているのだから、本当にその通りだなぁと思います。

またいろんな経験を通して気づいたことを発信できるよう、沢山のことにチャレンジしていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。