こんばんは。編集長のSeinaです。
前回、日本最大級M&A検索エンジンMANDA(マンダ)を7月にリリースした、株式会社MANDAの森田社長のインタビューを行いました。その話を父にしたところ、「何それ面白そう!」と盛り上がり、MANDAの森田さんとコラボすることに!
父の会社をM&A案件として掲載するまでの様子をまとめました。
――MANDAのサービスを聞いた時の印象はどうだったの?
父:株を売買しているから、M&Aの仕組みはよく理解しているけど、中小企業の間でM&Aが行われていることにまず驚いた。でもそれってよく考えたら全然アリだよねって思ったから掲載しても良いよと言った訳だ。
――自分が会社経営していた当時にはM&Aの選択肢は全く無かった?
父:それは無かったね。当時考えていたのはのれん分けとフランチャイズの2択。実際にはのれん分けを3人位の社員にやったね。
――そうだったんだ。そういうえば森田さんはヤフー出身だけど、ヤフオク使い始めたのも相当早かったよね?
父:うん、初期の頃からやり始めたね。
森田:今現在もヤフオクでパーツの売買はされているんですか?
父:えぇしてますよ。ヤフオクが初期の頃からずっと販売しています。会社を整理する時に余ったパーツが沢山あったのでそれを倉庫に持ってたんです。
父:せがれにメルカリも教えてもらったので利用してますが、倉庫にある部品もだいぶ減ってきました。そういうタイミングでMANDAの話があったので、会社を売る準備をしても良いかなぁと思ったんです。
――ほとんどの会社がHONDAと直接取引できない中、お父さんはその資格を持ってると言ってたよね。その話を聞かせてもらってもいい?
父:当時は登録している件数が全国で大体20,000件だったんだけど、今は2,000件ぐらいまで減っちゃったね。
父:今までは10坪くらいの小さなバイクショップでもみんなその資格を持てたんだけど、今から15年前くらいから厳しくなってさ。
父:それまでは電話一本すればバイクをディーラーが卸してくれたんだけど、俺がメーカー辞めてからディーラー自体が無くなっちゃんだよ。
父:それから、資格試験を合格しないと取引できません、って毎年HONDAから言われるようになったから扱える店がどんどん減ってるんだ。
父:俺はそういうの得意だったから問題なく更新してるけど、大体の人は諦めちゃう。資格取ってからも3か月に1回、パソコン上で更新があるから俺らの世代はまずそのページにたどり着くまでが大変。
――その権利を持っていることによって何ができるの?
父:HONDAから直接パーツと車両を仕入れることが出来る。それと、ネットで全ての部品やパーツの在庫状況が分かって注文出来るのも大きな価値だと思うよ。
父:普通のショップは仕入れることが出来ないから、HONDAの息がかかった大きなショップに頼み込んで分けてもらうしかない。
父:毎回ワンクッションおかなきゃならないんだから、こんなんじゃ商売にならないんだよ。そうなれば修理だってまともに出来ない。
父:これから新規でHONDAのパーツや車両を扱って商売始めたくでもほとんど出来ないだろうね。大きなバイクショップに頼みながらやっても、ストレスが大きすぎて続かないと思うよ。
――メカニックとしての腕にも相当自信があると言ってたよね。
父:うん、当時HONDAに勤めてた頃は、バイクショップにバイクを卸す側だったんだ。バイクショップでも直せないバイクを預かって修理していたからね。腕には相当自信あるよ。
父:自分でも部品を一から作っていたし、メーカー側とバイクショップ側両方経験しているのも大きいと思う。余所じゃ直せないバイクとなればもう任せてって感じだね。
――森田さん、このあたりのことをMANDAに掲載したいのですが、掲載のポイントはありますか?
森田:じゃあ、実際に画面を操作しながらやってみましょうか!まずは自社がどれくらいの価格で売却を見込めるのかチェックしてみましょう。
父:おお、やってみよう。
森田:まずはMANDAを開いていただき、「会社を売る」をタッチしてください。
森田:「次に自社の価格をチェック」をタッチしていただき…
森田:ここから自社の情報を入れていきます。お父様の場合は…
父:「中古車・カー用品」が一番近いかな。
森田:では、それでいきましょう。
・総資産
・総負債
・営業利益
・節税目的の経費
・退任予定者の役員報酬
の5つの項目を父から聞きながら父の代わりに数値を入力。いざ値段をチェック!.
なんとその額1,720万円!
父:えぇ、こんなに値段付くの?えぇ~!でも、売りに出すなら自分の会社名にものすごくこだわっているから、そこを載せて欲しいな!
森田:もちろんです、今ここに表示されているのはあくまで相場ですので、ここから無形価値の情報を載せていきます。
森田:例えば特許や契約の有無などの情報を加味して、いくらで売りに出すかをご自身で決めることが出来るんですよ。
父:へぇ~不思議。そんな風に出ちゃうんだ。俺からすれば内容だけ見たらタダで会社替わってあげるよと思われてもおかしくないもん。
父:バイクのレトロショップを始めるための材料は全て揃ってるから、俺個人としては物凄く価値はあると思うんだけどあくまで俺がそう思ってるだけだったから。面白いな~。
――でもお父さんみたいに自分の会社にこんな価値が付くと思わない人は多いかもしれないね。
父:いや絶対そうだと思うよ。俺なんて10万くらい付けばいいと思ってたよ。出ても100万位かな~って。
森田:中小企業のM&Aは、資産から負債を引いた額に営業利益の3年~5年分を足した金額が相場なんですよね。節税目的の経費や役員報酬についても利益に戻せる金額として算出されるのでこのような数字が出るんです。
父:こういうことが分かれば売りたい人、絶対出てくるだろうね!
父:俺たちの世代には、会社の利益がほとんど出てないけど会社を整理できない人がかなりいるはず。でも、自分が作ってきた会社だから想いがこもってる。だから簡単には整理できないんだよ。
父:それを何らかの形で評価して欲しいとみんな思ってるけど、そんな評価をしてくれるなんて思ってもみないから、M&Aなんて考えつかないんだと思うな。
――自分が思いを込めて作った会社を評価してくれるって嬉しいもんね。会社を整理できない気持ちが少しだけ理解できたような気がするよ。
――じゃあ、自社の価値が分かったところで、実際に売りに出してみよう!まずはどうしたらいいでしょうか?
森田:では先ほどの画面から「会社を売る」をタッチしていただき、「今すぐ掲載する」を押してください。
森田:まずここでは案件名を入力します。どんな買い手に興味を持ってもらいたいかを想像して付けていただくと、注目を集めやすいですよ。
父:旧車バイクを扱いたい人に向けて売りに出したいから…旧車バイクの販売修理はどうかな?でも今の人達はどうだろう。レトロバイクとかビンテージバイクという表現の方がいいかもしれないなぁ。
――じゃあ検索の対策も含めてビンテージ(中古)バイクの販売修理でどうかな?
父:そうだね、じゃあそうしよう。
森田:次は公募価格の入力です。先ほどの相場価格も含めてどのように設定しましょうか?
父:じゃあこれぐらいかなぁ。
――地域や業種、従業員数は入力しておいたよ。売却理由はどうする?
父:俺の想いとしては、技術とこの商売そのものを譲りたいっていう気持ちなんだよね。出来れば譲った時に自分が持っている技術も教えたいから代表者の引退っていうことではないな。その他がいいね。
森田:いやぁ、いいですねぇ。お父様の会社の売却を息子さんがサポートするってまさに僕が実現したかった世界なので結構感動してます。
――そうですよね。僕もそんな森田さんの想いや父に貢献出来たら嬉しいです!
――アピールポイントはどうしようか?
父:一番入れたいのは、社名のことだね。現在の社名を作るのに※CI(コーポレートアイデンティティ)を導入して3000万円かけたんだ。今で言うとブランディングという言葉の方がしっくりくるかもしれないね。
※企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ
――お父さんとしてはどういう想いでこのアピールポイントを載せたいの?
父:旧車をいじっていると寝ることを忘れてしまう。この楽しい気持ちを受け継いで欲しいっていう感じかな。今でもその想いはずっと変わらないんだけどね。
――それ、とっても大事だね。しっかり載せよう!
(中略)
最終的に掲載したアピールポイント
森田:これで全部の項目の入力が完了しました。「登録する」ボタンを押していただいたら完了です!
父:おぉ~。これでもう売りに出せちゃうわけ?すごいな~。
森田:はい。もうこれでサイト上に案件が実際に掲載されているんですよ。
実際の掲載画面
森田:あとは買い手が興味を持ったらメッセージが届きますので、お互いに会ってもよさそうだなと思えば直接面談の日程を設定してお会いしていただきます。
森田:メッセージはこんな感じで届くんですよ。
父:は~これはすごいや。おもしれ~。楽しみが増えたよ。ありがとう。
森田:こちらこそありがとうございました!是非いい買い手が見つかるまで待ちましょう!
今回父の会社を売りに出すにあたって、父は会社のパンフレットや雑誌に掲載された時のインタビュー記事を事前に用意していました。
「是非、うちの会社のことを知って欲しい。」
と言葉を添えてもらった資料には会社の歴史と父の想いがとても詰まっていることが伝わってくるのです。私はその重みを感じながら資料を眺め、1人で感動していました。
自分が作ってきた会社だから想いがこもってる。だから簡単には辞められないんだよ。
それを何らかの形で評価して欲しいとみんな思ってる。
私はこの言葉に、父や同世代の経営者の想いが凝縮されているように感じました。
そして、
旧車をいじっていると寝ることを忘れてしまう。この楽しい気持ちを受け継いで欲しいっていう感じかな。今でもその想いはずっと変わらないんだけどね。
事業承継の本質はここにあるのだとも感じました。単に事業としてハード面を受け継いで欲しいのではなく、ソフト面の事業に対する想いも受け継いで欲しい。
バイクへの情熱をいまだに持ち続けている父から、また会社経営の醍醐味を学ばせていただいたような、そんな気持ちになりました。
森田さんも、両親の会社の将来を家族全員でサポートする、そんな光景の実現に向けてMANDAを運営しています。
是非ご興味ある方は、まずは会社の価値を出してみることからお勧めします!
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最後までお読みいただきありがとうございました。